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先日、本田技研工業(以下、ホンダ)はコンパクトカー・フィットの改良版を出すことを発表しました。それと同時に新グレードとしてRSを導入することも発表しています。
先日、大方の情報が出てきたので、個人的な見解も含めて解説していこうと思います。
なお、発表時のことは以下のリンク先にて。
Contents
RSグレードの特徴。
- RS専用のサスペンション。
- ドライブモードスイッチ。(NORMAL/SPORT/ECON)
- 減速セレクター。
- RS専用ステアリングホイールとエクステリア。
- RS専用アルミホイール。
- 横浜ゴムのBluEarthが装着。
- など
特に足回りを強化したのと同時に通常のフィットと比べて少し質感は良くなっています。ステアリングホイールは全部本革巻(フィットとヤリスは4分の1がプラスチック)になっています。
他はLUXEといった他のグレードと変わりありません。(ホイールとエクステリアの質感を除く)
価格は2,346,300円で、ハイブリッドモデルのみの販売となります。(参考にLUXEは2,499,200円。)
他の改良点。
余談だけど、LUXEなどの改良点も書きますが、以下の通りです。
- LUXEはアームレスト付きセンターコンソールボックスやワイヤレス充電器が標準装備。
- マルチビューカメラシステムやブラインドスポットインフォメーションが装備可能に!
- ガソリン車も1.5Lに変更。(他も同様)
- CROSSTARはルーフレール標準装備。(以前までは課金必要)
特にマルチビューカメラシステムとブラインドスポットインフォメーションが装備できるようになったのは大きいですね。これも併せてご紹介します。
よくなったところ。悪くなったところ。
◎:RSが追加された。
フィットは過去にRSという走りに特化したグレードを作ってきました。
2020年の発売時にはそのRSグレードは登場しませんでした。
また、同時期に発売されたトヨタ自動車のヤリスに当初はうまく対抗できていました。しかし、2021年に入るとヴェゼルのフルモデルチェンジやN-BOXの改良も含め徐々に売り上げを落とします。
フィットは一部のモータージャーナリスト様から(ヤリスを糞味噌に貶して)絶賛されています。しかし、その一部のモータージャーナリスト様のアピール虚しくヤリスは堅調な売り上げを誇っているのに対し、フィットはどんどん売上を落としています。(それでも2千台程度の差、これがいいととるか悪いととるか。)
だからこそ、走りに特化したRSを出してきたとも取れます。もちろんコスト面をクリアーしてね。
×:グレードはe:HEV(ハイブリッド)のみ。→ガソリン車あります。
今回のRSは残念なことにガソリンモデルが設定されていません。
個人的にハイブリッドの静かでパワフルな走りはいいと思うので別にいいのですが、ガソリンが欲しいユーザーも少なくありません。
追記
RSのガソリンモデルは11月10日発売予定。ご指摘ありがとうございます。価格については発表されていないので、後日追記予定。
×:4WDがない。
LUXEやHOMEなどには4WDが設定されていますが、RSはありません。これもかなり痛いところ。
×:ミッションがない。
それと同時にミッションも設定されておらず、全部オートマです。この辺りはミッションがあるヤリスに軍配が上がるところ。
ちなみに先代モデルではどちらも設定されていました。
◎:マルチビューカメラシステムとブラインドスポットインフォメーション装備!
フィット最大の弱点は4つのカメラによる上からの視点を再現した「360度モニター」とセンサーで隣車線の後続車両を検知する「ブラインドスポット」が装備できない点です。
これはモータージャーナリスト様に糞味噌に貶されているヤリスでは装備できるものです。(トヨタの場合は「パノラミックビューモニター」および「ブラインドスポットモニター」)
いくら前方がヤリスと比較して前方が開放的でみやすくなったとはいえ、助手席側の死角は出てきます。だからこそ必要になってくるわけです。
ホンダではそれぞれ「マルチビューカメラシステム」および「ブラインドスポットインフォメーション」と呼ばれます。これはヴェゼルでは装備できますが、N-BOXでは装備できません。
そんな超便利装備ですが、今回のフィットで装備が可能になります。これでフィットの弱点が一つ潰せたことになります。
×:装備できるのはHOMEとLUXEのみ。
ただし、装備できるのは売れ線のHOMEとLUXEのみで、新発売されたRSでは装備することができません。
実際フィットで売れてるのはHOME(ホイールがスチールホイール)とLUXEで、特にHOMEはよく見かけます。だからこそこれらの装備が必要となってくるのです。
むしろ全部装備させて欲しいわけよ。
ちなみにヤリスはXグレードのみ装備できません。
◎:アームレスト付きセンターコンソールボックスが標準装備。
HOME、RS、LUXEのみですが、アームレスト付きセンターコンソールボックスが標準装備されます。
今までは課金必要だったものがこのように装備されるのは素晴らしいことだと思います。
これはアクア(Gグレード以上)がアームレストを装備したから対抗したんじゃないでしょうか?
いずれにしてもより快適な運転が実現できそうです。
◎:ドラムブレーキじゃない!
これも朗報で、今回の改良でヤリス、N-BOXや日産のNOTEのようにドラムブレーキになるんじゃないか?と感じましたが、リアディスクブレーキ継続です。
コストカットの煽りを喰らいがちなコンパクトカーでここまで豪勢な装備にするのは頭が下がります。
◎:ガソリンモデルも1.5Lに。
改良前は1.3Lとパワーがヤリスと比べてイマイチでしたが、今回の改良で1.5Lになりました。これでヤリスに対抗できますね。
税金も同じなのでメリットは大きいと思います。
◎:シートヒーターはHOMEで課金すれば装備可能に。
LUXEでしか装備できなかったシートヒーターはなんと今回の改良でHOMEでも装備できるようになります。
ただし、標準装備でなく課金が必要。
ハイブリッドでは冬場のエアコンが効きづらいということもあり、シートヒーターはあった方がいい装備の一つです。わたしもすごく助かってます。
このように考えると、課金すればLUXEとほぼ似たような装備になるってことですね。本革シートはできませんが・・・
×:大幅値上げ。
後で書きますが、ほとんどのグレードで少し値上げとなっています。
LUXEでもおよそ7万円ほどの値上げ。
HOMEも6万円ほど値上げされた形となります。これはアームレストの標準装備で値上げになっているんじゃないでしょうか?
ヤリスが2〜3万円ほどの値上げ(ただし、2021年にも値上げを敢行している。)だけなので、倍近くの値上げ幅になってるみたいです。
ただし、ヤリスはXのHEVでも200万円オーバーしています。EPBやリアディスクブレーキがない分割高感を感じますね。
?:オートブレーキホールドにメモリー機能は搭載されているか?
ヤリスにないEPB(電動パーキング)が備わっているのはフィットの大きな強みですが、今回の改良でブレーキホールドにメモリー機能が搭載されているか?に注目。
実際、ヴェゼルには装備されているとのこと。
公式サイトの表を見る限りそれが掲載されていないので、下手すりゃないかもしれません。
×:結局ダッセェ。
EPBやら360度モニター実装やらとヤリスに勝ち目ある要素満載ですが、それはあくまで機能面での話。
デザイン面で見たらヤリスや先代と比較して「ダサい」という声が多い。それゆえに売れないとも言います。
今回の改良で一部ゴージャスになるものの、基本的なデザインに変更はありません。そのためやっぱり他の車(ホンダならヴェゼル、シビック、N-BOXなど)を選んでしまいがちです。
個人的に前もそうだけど後ろもどうにかならなかったのか?と言いたいね。
価格帯。
以下に価格帯をまとめます。
前価格 | 新価格 | |
BASIC | (2WD)1,557,600円 (4WD)1,755,600円 (2WD HEV)1,997,600円 (4WD HEV)2,195,600円 | (2WD)1,592,800円 (4WD)1,790,800円 (2WD HEV)1,997,600円 (4WD HEV)2,195,600円 |
HOME | (2WD)1,767,700円 (4WD)1,965,700円 (2WD HEV)2,117,500円 (4WD HEV)2,315,500円 | (2WD)1,826,000円 (4WD)2,024,000円 (2WD HEV)2,175,800円 (4WD HEV)2,373,800円 |
RS | なし | (2WD)後日発表。 (2WD HEV)2,346,300円 |
CROSSTAR | (2WD)1,938,200円 (4WD)2,136,200円 (2WD HEV)2,288,000円 (4WD HEV)2,486,000円 | (2WD)2,072,400円 (4WD)2,270,400円 (2WD HEV)2,422,200円 (4WD HEV)2,620,200円 |
LUXE | (2WD)2,076,800円 (4WD)2,241,800円 (2WD HEV)2,426,600円 (4WD HEV)2,591,600円 | (2WD)2,149,400円 (4WD)2,314,400円 (2WD HEV)2,499,200円 (4WD HEV)2,664,200円 |
先述の通り、LUXEで7万円前後の値上げ、CROSSTARは13万円、HOMEも6万円ほど値上げしている形となります。
CROSSTARはルーフレール、LUXEやHOMEはアームレストの標準装備も影響しているかもしれません。ヤリスでも自動ブレーキ(後方)標準装備の時に値上げしています。
逆にBASICのハイブリッドモデルの価格がそのままなのは評価してもいいでしょう。200万円以内で買えるハイブリッドカーも少なくなってきましたし。(ヤリスですら200万円を超えてしまった)
個人的にはLUXEを・・・と言いたいところですが、今回値上げしたことによりビミョーラインになってきてます。
LUXE e:HEVが250万円になり、360度モニターとブラインドスポットを含めて10万円程度(公式サイトで価格が掲示されてないため、ザクっと見積もる)、ナビが10万円、税金、マットなどの諸費用が20万円ほどになると考えても290万円。
ヤリスハイブリッドZで同条件なら235万円に360度モニターとブラインドスポットで10万円、ナビが6万円、税金とマットなどの諸費用が20万円とすれば270万円ほど。ホイールや合皮シートを含めたら280万円だからこれもビミョー。(アクアも似たようなものだけど、少し安い)
それを考えたらもうヴェゼルやシビックやノートオーラにするか、HOMEを選択する方が賢明かもしれませんね。こっちでも360度モニターやシートヒーターはつけられますからね。
コンパクトカーはやっぱり安く買った方が賢明というのが改めて痛感してる。
ヤリスはどう対抗するか?
フィットより売れてるヤリスですが、弱点がある程度解消されたフィットに対してどう対抗するのでしょうか?
質感やら装備やら広さやら価格に対して微妙とも取れるヤリス、改良もGRスポーツが追加されたヤリスクロスと異なり、少しのマイナーチェンジに留まっています。
特にXBグレードの廃止やXグレードでパノラミックビューモニターやブラインドスポットモニターが装備できなくなったのは非常に痛い話。ヤリスクロスの発表と比べりゃ控えめとも取れるしオワコンとも取れそうな仕様変更。(ただし、ヤリスクロスも同じようにXグレードで装備できないので、仕様を統一した感じやけどね。)
フィットはHOMEでも装備できるため、そっちに流れる可能性だって出てしまいます。
ただ、デザイン面で考えたら今でもヤリスの方に軍配が上がる傾向で、デザイン面で敬遠され、さらにいえばリセールバリューを含めたらN-BOXやヴェゼルに流れることだって出てきます。これは今まで通り。(コンパクトカーはリセールがカス)
今までEPBやGRスポーツの噂が絶えなかったヤリスですが、今回のフィットの発表でそろそろ本腰を入れるんじゃないでしょうか?少なくともEPBとGRスポーツ(ハイブリッド)とUSB-Cは入れなあかんよ。(これは前々から言ってることだが)
まとめ。
まとめです。
先日、フィットの改良版が正式発表されましたが、印象としては走りに特化したRSとより快適装備が実装されたと感じました。
特に360度モニターとブラインドスポットが装備できるのはフィットの大きな弱点を補っていく形となっています。ただ、装備できるのがHOMEとLUXEのみです。
そのHOMEもシートヒーターなどがメーカーオプションとして課金できるようになったので、一部装備を除いてLUXEに近づいた仕様になった印象を受けました。
同じく改良が発表された直接のライバルであるトヨタのヤリスが今後どう打ち出すかが注目されます。少なくとも今回の発表だったらフィットを検討してもいいんじゃないか?とも取れましたね。
ただ、デザイン面やら価格面やらではノートオーラやヤリスクロスに近くなるんやけどね・・・それ考えたらHOMEなどの廉価グレードの方がいいとも取れそうです。
はじめまして。
フィットRSを注文済みの者です。
ブログ拝見させて頂きましたが、僭越ながらいくつか誤認識があるようです。
1.RSのガソリン車は11月10日発表予定です。
2.HOMEとLUXEの旧価格が誤っているようです。再度ご確認願います。値上げは6万円前後です。またCROSSTARの値上げ幅が大きいのは、ルーフレールを標準装備したことが影響しています。
以上、よろしくお願い致します。
初めまして。
RSのガソリン車やCROSSTARの価格値上げについては追記しました。
あと、旧価格は色々調べてみましたが、どうやら2020年モデルの価格を反映していたみたいです。
2021年の価格に修正しました。
ご指摘ありがとうございます。