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先日、ヤリスとヤリスクロスの改良版が発売されました。現在納期はそれぞれ半年以上かかるとも言われています。
そんな中、改めて改良版を見たところ、これはどうなんやろ?と思ったところがあります。それはヤリスZのコスパが最悪になったことです。なぜそうなったか?についてお話しします。
引用元:トヨタ自動車株式会社
おことわり:ヤリスの計算が間違えてました。修正しましたのでよろしくお願いします。大変申し訳ありませんでした。(原因:ヤリスのカラー選択金額77,000円が含まれていたため、ちなみにパーソナルカラーの赤黒。)
Contents
ヤリスZがコスパ最悪になった理由。
ヤリス、とりわけヤリスのZグレードがコスパ最悪になった理由、それは姉妹車であるヤリスクロスとの装備に大きな差が生じてしまい、それを装備することによって価格差がそんなに変わらなくなったと言うことです。
具体的には「パノラミックビューモニターとブラインドスポットモニター」「アームレスト」「アルミホイール」の三点です。
ヤリスクロスのZグレード(およびGRスポーツ、アドベンチャー)にはコレらが「標準装備」されており、ヤリスZにはコレらが標準装備されていません。
さらにヤリスクロスはヤリスにない装備が以前からあり、特に電動パーキングブレーキ(EPB)が最たるものです。
そうゆうこともあり、コレらを考えたら「ヤリスクロスZ買った方が幸せになれる」と言うことになってしまい、ヤリスZの存在価値が急激に陥っていると思ったからです。
ガソリン車とハイブリッド車で価格差は変わらない。
今回は事情によりハイブリッド車(2WD)で比較しますが、ガソリン車および4WDで比較しても価格はたいして変わりません。
具体的な価格差は以下の通り。
ヤリス | ヤリスクロス | |
ガソリンとHEV | 342,000 | 374,000 |
2WDと4WD | 198,000 | 231,000 |
よって、4WDやガソリン車にする場合はコレらの価格を計算に入れる必要があります。
また、ヤリスクロスはAdventureとGRスポーツもあり、コレらの価格差もZに対してプラスする必要があります。
Adventure | GRスポーツ | |
価格差 | 116,000 | 145,000(HEV) 136,000(ガソリン) |
実際の装備はどうなってるの?
ここからZグレードは全て「HYBRID Zの2WD」に統一する。
実際の装備を見ていただきましょう。ヤリスとヤリスクロスで装備の価格はこうなっております。
ヤリス | ヤリスクロス | |
アルミホイール | 82,500(16インチ) | 標準装備 |
パノラミックビューモニター | 33,000 | 標準装備 |
ブラインドスポットモニター (+安心後者アシスト、 パーキングサポートブレーキ) | 56,100 (寒冷地は75,900) | 標準装備 |
PVM+BSM+SEA +パーキングサポートブレーキ | 83,600 (単体から5,500割引) | 標準装備 |
アドバンスドパーク | 138,600 (上記から+55,000) | 55,000 |
合皮シート | 標準装備 | 標準装備 |
シートヒーター およびステアリングヒーター | 標準装備 | 標準装備 |
アームレスト | 19,800 | 標準装備 |
メモリーシート | 標準装備 | なし |
パワーシート | なし | 標準装備 |
サイドブレーキ | 手引き | EPB |
コンセント | 45,100 | 45,100 |
コレから条件であるPVM+BSM、アームレスト、アルミホイールを取り付けた際の価格は以下の通り。
ヤリス | ヤリスクロス | 差額 | |
本体価格 | 2,496,000 | 2,809,000 | -313,000 |
オプション | 185,900 | 0 | 185,900 |
税金 | 92,150 | 93,170 | -1,020 |
合計 | 2,774,050 | 2,902,170 | -128,120 |
よって、同じような装備をした場合、ヤリスクロスとの価格差はたった12万円ほど。コレならEPBもついてイロドリミドリのヤリスクロスを選ぶでしょ?
事実上、ヤリスクロスにPVMやBSMが付いたことにより、実質の差額は146,900円になります。マイナーチェンジ前はアルミホイールの金額を除いて21万円ほどだったためにお買い得感が半端ありません。
ただ、それによって外すことが出来なくなったので(ヤリスとの価格差に変化はほぼないにしろ)実質の値上げに相当します。iPhone15 Pro Maxが256GBから始まっているのと同じですよね。
ですがPVMもBSMもあって損はないものなので、やはりコスパ最強の座はヤリスよりヤリスクロスになってしまうのです。
ヤリスとヤリスクロスの決定的な差。
ヤリスとヤリスクロスの決定的な差は以下の通り。
- 小回りがヤリスの方が小さい。(4.8m、Z,4WDは5.1m、ヤリスクロスは5.3m)
- 足回りがヤリスクロスは重たい。
- 車重や大きさがヤリスクロスは大きい、そのため税金にも影響する。
- ホイールベースは10ミリの差があり、ヤリスクロスは10ミリほど後席に余裕ができる。
と言うことは、ユーティティを優先するのであればヤリスクロス、走りを優先するのであればヤリスっていう風に差別化されています。
実際車検の時にトヨタの方に聞いたところ、走りだったらヤリスと言うことをおっしゃっていました。
アクアと比べてどうなのか?
ここで感じたユーザーも少なくありません。それはアクアとの比較。
以下にアクアの装備を含んだ表を出しています。
ヤリス | ヤリスクロス | アクア | |
アルミホイール | 82,500(16インチ) | 標準装備 | 標準装備(15インチ) 39,600(16インチ) |
パノラミックビューモニター | 33,000 | 標準装備 | 単体装備不可 |
ブラインドスポットモニター (+安心後者アシスト、 パーキングサポートブレーキ) | 56,100 (寒冷地は75,900) | 標準装備 | 単体装備不可 |
PVM+BSM+SEA +パーキングサポートブレーキ | 83,600 (単体から5,500割引) | 標準装備 | 101,200 |
アドバンスドパーク | 138,600 (上記から+55,000) | 55,000 | 188,100 (上記から+86,900) |
自動防眩インナーミラー (ドライブレコーダー付) | なし(廃止) | なし(廃止) | 53,900 |
HDMI | 標準装備 | 標準装備 | 35,860(工賃除く) |
合皮シート | 標準装備 | 標準装備 | 66,000 |
シートヒーター およびステアリングヒーター | 標準装備 | 標準装備 | 合皮シートとセット |
アームレスト | 19,800 (ショッボイヤツ) | 標準装備 | 標準装備 (スライドタイプは13,200) |
LEDランプ | 通常 | 通常 | バイビーム |
電池 | Liイオン | Liイオン | Ni水素(バイポーラ) |
メモリーシート | 標準装備 | なし | なし |
パワーシート | なし | 標準装備 | 合皮シートとセット |
サイドブレーキ | 手引き | EPB | 足踏み |
コンセント | 45,100 | 45,100 | 標準装備 |
ここからヤリスやヤリスクロスとの差が「ブラインドスポットモニター、パノラミックビューモニター」「アルミホイール(インチが異なるため)」「合皮シート、ステアリングヒーター、シートヒーター」「コンセント」「HDMI」となっており、コレらを合算した結果はこうなります。
ヤリス | ヤリスクロス | アクア | |
本体価格 | 2,496,000 | 2,809,000 | 2,400,000 |
オプション | 231,000 | 45,100 | 242,660 |
税金 | 92,150 | 93,170 | 93,420 |
合計 | 2,819,150 | 2,947,270 | 2,736,080 |
このようにヤリスと比べても8万円ほど差があり、明らかにコスパが良いことがわかります。またヤリスやヤリスクロスと比べて後席に余裕があります。
ただし、現在アクアは受注停止しており、マイナーチェンジが控えているためかヤリスやヤリスクロスのように値上げは確実にされるでしょう。
それらを踏まえた上で、アクアの価格は20万円プラス(ヤリスの最初期から20万円の差があるため)され、260万円になるんじゃないかと思われます。適正価格だったら255万円かな?
そうなると2,886,080円となりますので、ヤリスより6万円ほど高くなります。これが260万円だった場合は11万円ほどの価格差が生じてしまいます。
また、現在アクアはCD、DVDのドライブやHDMIが別売りになっていますが、コレらもヤリスやヤリスクロス同様に廃止およびHDMIの標準装備がされる可能性はあるでしょう。
価格面も含めたこの辺りは今後のトヨタの正式発表を待ちましょう。
それでもヤリスを買うのであれば・・・
それでもヤリスを買うのであればこのような目的があったら買ってもいいと思います。
- コスパの良いGグレードを選ぶ。(ただしソフトパッドがないので質感は地獄)
- 機敏とした走りが欲しい。
- スポーツカーまでお金が出せないけど、それに見合った走りが欲しい。
- 狭い駐車場に停める場合。
- MTはZグレードを選んでも問題なし。
- Xグレードや1.0Lは質感がより地獄なので、下駄車として使用する以外はお勧めしない。
- 結局、Xグレードなどはレンタカーや社用車需要になるので、愛車としての価値は微妙。
そう考えると、トヨタの作戦は計画的なんやなと思ってしまいます。w
まとめ。
まとめです。
今回はヤリスZがコスパ最悪に成り下がった理由ということで、具体的に数値を叩き出してみました。
ヤリスクロスとの自動車税等込みの価格差が12万円(本体価格との実質の価格差は14万円)と大きく変わらないことがわかり、一般的にならヤリスクロスの方を買った方が幸せになれます。
ただし、それだけ価格も上乗せされていますので、いろんなオプションで節約できるヤリスと比べてできなくなっているのが欠点です。
また、重量と大きいので走りが重く、小回りがききません。
軽い機敏な走りを求めたいのであればヤリスを選択する価値は十分にあります。ましてGRヤリスが欲しいけどお金がないユーザーはMTを選択する余地はあると思います。コレならZグレードでも大きなアドバンテージとなるでしょう。ホイールも差別化されてますしね。
やはりヤリスクロスは一番高いZが売れるのに対し、ヤリスは安いGやXが売れるっていうのは改めて実感できます。それだけヤリスZは購入する際検討しなければならないでしょう。
アクアについては受注停止しているので参考価格となりますが、アクアの方がお買い得であることがわかりました。今後マイナーチェンジと値上げが控えているので、それを考えたとしても大して変わらないと感じています。
いずれにしてもヤリスを買う価値がないというのはやっぱり違うなと思った次第です。
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