【テレビ番組】笑点がさらに劣化している話。

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 ご存知日本テレビの演芸番組「笑点」。1966年の放送開始から今年で58年目に突入しています。

 今年は春風亭一之輔さんの加入や林家木久扇さんの卒業発表で話題になっていますが、もう一つ感じたことがあります。それは番組の進行がさらに大幅に変わったことです。

 本日はそんな笑点の「改悪」というべき進行の変更を分析します。

今年の2月に一之輔さんが加入した。

引用元:日本テレビ放送網株式会社

 今年の2月に昨年9月に亡くなった六代目三遊亭円楽さんの後任として春風亭一之輔さんが加入されました。座席も2枠で円楽さんが座っていたところです。(3枠が林家たい平さんなので、引き続き「円楽っち」ネタができてたが、円楽さんが倒れてできなくなった)

1991〜2021年まで2022年以降
司会五代目三遊亭圓楽さん
桂歌丸さん
春風亭昇太さん
春風亭昇太さん
1三遊亭小遊三さん三遊亭小遊三さん
2三遊亭好楽さん六代目三遊亭円楽さん
春風亭一之輔さん
3林家木久扇さん林家たい平さん
4桂歌丸さん
春風亭昇太さん
二代目林家三平さん
林家木久扇さん
5六代目三遊亭円楽さん三遊亭好楽さん
6林家こん平さん
林家たい平さん
桂宮治さん
座布団山田隆夫さん山田隆夫さん
2021年までのものは笑点50周年記念ガイドブックでも取り上げたほど

 一之輔さんは「チケットが取れない落語家」の一人として有名で、昨年加入した桂宮治さんとは共通点を持っています。

 一之輔さんのイメージカラーは濃紺で、過去に五代目三遊亭圓楽さんが着用してのとほぼ同じ(一之輔さんの方が少し濃い)です。キャラクターとしては髪が薄いのでハゲネタ(元々桂歌丸さんもやってたネタ)や宮治さんをおちょくるネタなどがあります。

今年の4月から番組の進行に大幅な変更があった。

 一之輔さんが加入した当初は昨年同様の改悪(席替え、CM前のテロップや大喜利出題中の問題の常時表示)がありましたが、4月以降さらに変更がありました。

 今までの笑点はタイトル画面の後提供を流してCMといった感じにしていましたが、それを大幅に変更しました。以下の表にまとめています。

ほぼ10年前2023年3月まで2023年8月まで現在
タイトル表示タイトル表示タイトル表示オープニング
提供ミニトークミニトークCM
CM提供CM提供
オープニングCM提供CM
演芸コーナーオープニングCM演芸コーナー
CM演芸コーナーオープニングCM
大喜利CM演芸コーナー大喜利
また来週大喜利CM提供
提供また来週大喜利エンドカード
(ここでまた来週)
エンドカード提供提供
エンドカードエンドカード
(ここでまた来週)

 一番はやはりOPとエンディングの大幅な変更。そしてCMの回数が増えたこと。それによるテンポの悪化。

 オープニングはいきなりCMを挟んだりするし、エンディングも今までは司会の春風亭昇太さんが「笑点また来週」と言ってから提供とエンドカードを表示するのですが、大喜利進行中(と言っても回答後のトーク)に提供とエンドカードをはさみ、最後に昇太さんの「笑点また来週」が入っている状態です。

 しかも一部の回では盛り上がってるのかそれすらカットするという始末、はっきり言って視聴者を舐めてる

 いわば他の番組でも頻繁にやってる「提供中の番組進行」を笑点でもやらかしているわけです。はっきり言って視聴者を舐めてる。

過去にも大幅なリニューアルはあった。

 とはいえ、笑点も50年以上続く番組であるため、メンバーの変更(降板や逝去によるもの含む)以外の、それこそ番組におけるリニューアルは過去にもありました。

 一つは大喜利のオープニング。

 現在は笑点のテーマに合わせてメンバーが控えから出てきますが、これは五代目圓楽さんの頃の途中から行われているもの。以前まではすでに座った状態で始めていました。(ただし、現在も一部の放送では座った状態でスタートする時がある。)

 もう一つは1996年に放送時間が現在の30分になってから。

 笑点は元々日曜夕方17時20分からの40分番組でした。その時は演芸コーナーと大喜利の間に司会者によるコーナーが設けられたり、演芸コーナーをもう1本やったりしていました。

 また、オープニングの挨拶も40分の頃はちょっとした司会者のトークや演芸コーナーのゲストの紹介がありました。現在それはありません。(これは実際公開収録で確認済み)

 30分番組に縮小されてからは10分カットされているのでその分ネタもカットされたり、大幅な見直しがあって現在に至るわけです。

 エンディングは現在大喜利のあとすぐに提供、エンドカードを出していますが、40分だった頃は大喜利と提供の間にCMを挟んでいました。もちろん時間都合によるもの。

 また演芸コーナーも過去若手芸人発掘企画を行なっていました。タイトル名は「笑点の穴」。

 このコーナーは若手芸人2〜3組がネタを披露するのですが、ウケたら全部放送、ウケなかったら途中で終了するものでした。若手芸人の中にたい平さんもおられたそうです。そしてウッチャンナンチャンのウリナリ(日本テレビ)の企画でウッチャンナンチャンのお二人がそれぞれでユニットを組んで出ていました。

 また大喜利下剋上と言って、山田隆夫さんの代わりの座布団運びを選出するとして1998年に放送されています。その中にはやはりたい平さんがいました。w

 歌丸さんが座布団10枚で世界の大スターに会えるという商品をもらった時、なぜか発言テロップ表示されていたらしいです。(VTRでなく実際の収録放送での話、以降は全くない)

 あと地方収録では最後に三本締めを行ってましたが、現在では行っておりません。これも過去公開収録に行った際確認してます。

 

 このように、57年の歴史でいろんな企画を放送、変えていますが、それでも大幅な構成は放送時間の変更による措置を除いては変わっていません

さらに下品な進行になった笑点。

 昨年のテロップといい、淡々と進行していた笑点の悪い意味での大幅な変更に違和感しか覚えません。

 正直、2021年の二代目林家三平さんが辞められるまでの頃と比べたら番組の構成が下品になったと言わざるを得ません。今年はそれがさらに下品になった。

ザッピング対策や大相撲中継で悪くなるのは分かってるんだけど・・・

 ただ、笑点は裏番組に大相撲中継(しかも結びの一番や千秋楽の表彰式)とかぶってしまうので、大相撲中継放送期間は視聴率が落ちると言われています。

 数字は状況によるけど千秋楽などでは大幅にダウンすることもあれば、そんなに下がってない時もあります。つまり大相撲中継があれば数字の起伏が激しくなるのです。

 とはいえ、笑点と大相撲の視聴率争いはそれこそ昔からやってることであり、それまでずーっと大幅な変更(放送時間の変更によるものは除く)はなかったけど普通に放送されていましたよね。

 それを大幅な変更をして大相撲や他の番組に行かせまいというあからさまな進行に変更してるのです、今までやったことを変更してどうするの?はっきりいって自滅しかねない。

むろん、これによる批判はある。

 これに対するレスでは「数字だけ気にする」「永くて良き伝統が崩されると、見なくても良くなってしまう哀しい現実」「培われた黄金率を崩されるのは嫌」「マジ無能」「テレビは起承転結の無い番組が増えた」「マンネリに新しい風を→番組潰す」など散々ないわれよう。

 笑点のフォーマットはすでに初代三波伸介さんや五代目圓楽さんのころに完成しており、それを続けているいわゆる「永遠のマンネリ」ってやつです。

 歌丸さんが「マンネリと呼ばれることはいいこと」「マンネリってことは、長く続いているということだからね。それに、批判するってのは、それだけ見てるってこと、あるいは気にしてくれているってことでしょ」とおっしゃってるぐらい、笑点のフォーマットは番組構成から進行、テンポ、間、リズム、ネタ、キャラクター性と完成しているわけです。

 それなのに去年から一部のスタッフ”様”の手腕で壊しているわけです。

マンネリをはき違えてる。これは間違いないと思う。

笑点メンバーの笑いは安定している。

 とはいえ、笑点メンバーの笑いは安定しています。

 昨年は円楽さんの病気療養(のちに逝去)によるダメージが非常に大きかったけど、三平さんの後に入った宮治さんや一之輔さん、そして現行メンバーの奮闘で笑いは相変わらずです。

 当然だけど「笑点は永遠のマンネリ」「舞台上は先輩後輩関係なし」は現在でも伝わっています。

 これは実際収録に行くとわかりますが、笑点という番組は安定しているわけです。しかしそれをぶち壊してるのがその番組スタッフであることに間違い無いのです。

とはいえ、一部のファンは「五代目圓楽さんや歌丸さんの時が良かった」という声が今でも多く、今の笑点に抵抗があるのも事実。

 これ、高校生クイズ(日本テレビ)や鳥人間コンテスト(読売テレビ)、新婚さんいらっしゃい(朝日放送)、探偵ナイトスクープ(朝日放送)も同じだよな。参加者や出演者は努力してるのにスタッフのディレクションで台無しにしてるの。

目先の数字だけを見てしまい、昇天(自滅)する。

 過去、マジカル頭脳パワー(日本テレビ)を生み出した日本テレビの五味一男さんは視聴率グラフとにらめっこして番組の構成を変更したと言われています。

 それによってマジカルバナナなどのゲームやあるなしクイズと言った名物コーナーをたくさん生み出しています。当然視聴率も鰻登りで、日本テレビ大躍進の番組の一つとして君臨しています。

 その反面、山場CM、テロップの乱発やスタッフと出演者との間で軋轢があったとも言われているそうです。他の番組ではワイプやナレーション進行もあります。これらの過剰演出は日本テレビはもちろん、NHKやライバル局でも採用されるようになってしまい、現在に至るまで行われています。

 近年ではYouTubeの動画でも行われてることがあります。

その後マジカル頭脳パワーは五味さんが「出し尽くした」という理由で1999年秋に終了しました。ただ視聴率は関西では良かったが、関東では悪くなったので打ち切ったとも言われてるそうです。

 五味さんはこれらの演出を「意図してやってる」と公言されていますが、他のスタッフや他局がそれを考えずに猿真似をすればそれはただの邪魔者になるだけです。ただ、個人的にマジカル頭脳パワーでも山場CMはめっちゃ腹立ったけどな。

 そうなってくると番組のテンポは崩壊し、見なくなるわけです。現実昇太さんになってから見なくなった視聴者もいますが、それ以上に番組のテンポが大幅に変わっているので止める視聴者も増えているんじゃないでしょうか?

 せっかく宮治さんや一之輔さんが加入して、奮闘してるのに番組のテンポを悪化させたらそれはお二人はもちろんのこと、他のメンバーにも影響を与えかねません。

映画は監督のものだけれど、テレビはホスト(司会者)のもの。

 これは過去、日経のインタビューで大橋巨泉さんがおっしゃったことです。

 巨泉さんはクイズダービー(TBSテレビ)や11PM(日本テレビ)の構成・司会者として有名ですが長年司会をしていた巨泉さんですら「ディレクターに鋏を入れてほしくない」と思ってるそうです。

 今回の場合、昇太さんが司会者なので、昇太さんのテンポやリズム、間合いで進行しているはずです。それをぶち壊してるのが明らかに番組のスタッフというわけになります。

時代に合わせて変えるべきものと変えたらならないものはある。

 よく「時代に合わせて変える」とはいいます。

 例えばパソコンだって昔は一家に一台といった感じだったのが、現在ではスマホが一人一台の時代みたいな感じ。当然通販や情報収集もパソコンからスマホに変わっています。それだけ時代が変わっています。

 その一方で「時代が変わっても変わらない、変えてはいけない」ものもあります。笑点、新婚さん、ナイトスクープなどの長寿番組はこっち。

 それは番組の内容はもちろんだけど、放送も同じ。観る側からすれば下手にいじったら違和感を覚え、見なくなるわけです。実際それで見なくなったという声もあるぐらいです。いわばマンネリという聖域を弄ってる状態なのが今の笑点。

まとめ:はっきりいってバカとしか言いようがない。

 まとめです。

 今の笑点ははっきりいって「見るに堪えない」です。ここで視聴率が下がれば「笑点離れ」とかマスコミに言われるのは確実。

 これは新婚さんいらっしゃい(朝日放送)でもそうだし、探偵ナイトスクープ(朝日放送)でもそうだし、タモリ倶楽部(テレビ朝日)でもそうだった。

 とにかくテンポが明らかに悪くなっています。

 大喜利の後の挨拶がカットされるのは問題外。大喜利の内容を充実させたい意向(回答がカットされるので、ディレクターズカットをBS日テレで放送される)はあるんだろうけど、はっきり言って今のやり方は裏目に出てます。これは新婚さんにも言えることだけどね。

 巨泉さんが「テレビはホストのもの、その辺のあんちゃんディレクターにハサミ入れてほしくない」とおっしゃるぐらいなので、およそ30年前からやってる今のテレビの演出がいかに異常かが分かります。笑点でそれが改めて浮き彫りになったわけです。

 去年から宮治さんや一之輔さんが入ったといっても、それを台無しにするテンポで今後番組に悪影響を与えかねないとわたしは思います。それは宮治さんや一之輔さんの頑張りを台無しにするのと同じ。

 笑点は「永遠なるマンネリ」なんだから、余計なテコ入れは不要。改めて思いました。当然だけど2022年から大喜利出題中のテロップも廃止だ!

 日本テレビ、広告代理店、スポンサーは反省してほしい。

 2021年以前の笑点のテンポに戻してほしい、マジで願っています。そうしないと文字通り「昇天(打ち切り)」も言われますよ。

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