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先日9月30日から開催されている全プリキュア展ですが、当日足を運んだのはいいけど散々なものだったので、10月6日に日帰りでリベンジすることにしました。
そこで利用したのが高速バスです。
本日はその高速バスのレポートです。果たしてJRや飛行機(ANA)と比べてどうなのか?検証します。
なお、JRやANAを使った場合のレポと9月30日のプリキュア展でのドキュメントは以下のリンク参照。
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四国は高速道路網が発達している。
四国は全国(沖縄含む)と比べて高速道路の整備が遅れており、実際始まったのが1985年の三島川之江から土居の間が始まりです。
そこから急速に整備されて38年、現在では四国の県庁所在地までのアクセスはもちろん、宇和島や大洲といった地方エリアにまで伸ばしています。松山道、高松道、高知道は県庁所在地まで片道2車線化されており、徳島道は1車線ではあるものの、高松道から直接行けるようになっています。
特に高松道の東香川エリアは超ドル箱路線に成長するほどで、4車線化を検討していたんですが民主党のマニュフェストの影響で凍結。その後解除されて2019年に完全4車線化されて渋滞の解消はもちろん、移動時間の短縮にもつながっています。
松山道でもJRは今治経由でないと行けないが、松山道は桜三里(高縄半島の付け根)にあるため、それだけでも時短につながっています。
自家用車で松山高松間は2時間でつけるし、バスは最短2時間10分でつけるのも設定されていることから、今後もバスの需要が増えるであろうと感じます。
ただ、2024年問題があり、運転手不足が懸念されているので需要に応えられない可能性があります。
四国は車社会、それゆえにJRは苦戦してる。
先述の通り、自家用車で松山高松間は2時間でつけます。
高速道路が整備された結果、四国はさらに車社会となってしまい、マイカー率は高いそうです。全国平均よりはるかに上なのが徳島県と香川県、愛媛県と高知県は平均よりちょっと上ですが、全体で考えたら右肩上がりになっています。
そうなってくるとJR(鉄道)は苦戦するのも致し方がない。
JR四国の路線は国鉄時代、電車は一つもなく単線の曲がった路線が非常に多かったと言います。電化されたのは1988年に瀬戸大橋が開通してからで、そこから高松〜琴平、伊予市まで電化されています。
それ以外での路線の増加は内子線と第3セクター路線程度で、基本的に変わっていません。制御付き振り子列車を採用するなどスピードアップを図っているものの、線路が変わってないので限界に来ています。
そしてJR四国は基本的に特急がメインであり、通勤に使うユーザーも少なくありませんが都会と比べたら少ないのが現状。
県庁所在地の鉄道通勤輸送は基本的に私鉄になることが多くなります。
松山の場合、伊予鉄道(以下、伊予鉄)の郊外電車が高浜(松山北西部の港)、横河原(松山南東部、東温市)、郡中港(松山南西部、伊予市)になってるのに対し、JRは北条(松山北エリア、旧北条市)、一坪(坊っちゃんスタジアム)〜南伊予(松山運転所があるエリア)と意外と中心街から分散していることがわかります。
また郡中港とJR伊予市駅は近くなので、乗り換えが可能です。
高松になると高松琴平電気鉄道(以下、琴電)が琴平と志度と長尾に分けられるのですが、長尾以外の2路線は終点でJRとの乗り換えが可能。特に志度は競合しています。(伊予鉄も三津浜までは競合)
琴平線は綾川を通るので、坂出を通るJRとは競合になっていないので、案外分散されてることがわかります。ただ、松山と異なり電車が通っていないエリアも少なからずあります。
そりゃ高松市がコンパクトシティ化を推進するわけです。
またフジが経営するエミフルMASAKIの最寄り駅は岡田駅で近くにあります。ただし少し距離があるのでシャトルバスを運行しています。
一方でイズミが経営するゆめタウン高松の最寄り駅は三条駅と伏石駅になるのですが、どちらも距離は相当長い上にシャトルバスが設定されてないと言う違いもあります。(せめて伏石駅からシャトルバス出してほしいよね)
高速バスが充実したために、船便は大幅に減ってる。
これは松山に限った話なんですが、高速バスが充実した&飛行機が安くなった影響で船便は大幅に減っています。
とはいえ、四国へのバスの移動代は大阪〜富山などの同距離と比べて高く設定されています。(しかも一律)本四連絡橋の影響もあるかもしれません。飛行機もライバル不在なのか高額に設定されてる傾向とのことらしい。
現在松山港(松山観光港)から出ている県外に出る船は広島・呉と小倉のみです。
以前まではダイヤモンドフェリー(現在のフェリーさんふらわあ)が大分〜松山、今治〜神戸、大阪経由であったのですが、2010年までに運行を終了。現在は広島と小倉メインになってしまい規模が縮小しています。
その分大分は八幡浜から、大阪へは東予市から行くことになり、松山からのアクセスで考えたらものすごく不便になっています。船は夜通しで行けると言うことでメリットがあったんですが、シェアと高速バスの充実化で無くなってしまったんでしょうね。(現在でも深夜便は超人気)
ちなみに神戸〜高松経由のジャンボフェリーは現在でも往復3,790円(深夜、土日祝日は共に+500円)と安く、現在でも利用されてるお客さんが多いです。
大阪へのアクセスは高松と徳島はバスと船、松山と高知はバスと飛行機がメインになってるのが現状です。(高松はJRも手段の一つとして採用される)そりゃ松山の船便が減るわけよ。
伊予鉄バスの高速バスを利用する。(ダイヤの関係上そうなった)
松山IC | 7:37(7:52) |
大阪(阪急梅田) | 12:35(12:34) |
ATC着 | 13:20(13:23) |
プリキュア展 | 13:30〜15:50 |
ATC発 | 16:00(15:28) |
大阪(阪急梅田) | 17:10(17:10) |
松山IC | 22:00(22:02) |
今回緊急で手配したのが高速バスでありますが、朝6時55分に伊予鉄バス(以下、伊予鉄)の室町営業所(松山市駅の南)の便と梅田を17時10分に出発する便を手配しました。
自家用車による移動時間は徳島道経由で4時間ですが、高速バスは5時間(松山市駅は5時間半)かかります。少しかかる理由は15分間の休憩を2回とっていることとルートが異なるため。
ルートは松山道〜徳島道・藍住IC〜高松道・板野IC〜神戸淡路鳴門道〜山陽道・神戸JCT〜中国道・中国池田IC〜阪神高速11号・福島料金所となります。
チケットはネットで買ってもよかったんですが、松山市駅(以下、市駅)で購入しました。大街道にもチケットセンターはあるのですが、お客さんでいっぱいだったので市駅のチケットセンターで手配したわけです。価格は13,500円。(実は大阪富山間の最大料金より高い)
さらにOsakaMetroの乗り放題が+100円で追加されると言うことで、目的地であるATCまでは往復でも500円は必要なのでこれも購入しました。
出発は市駅からでなく、パーク&ライドと帰宅時の時短の関係で松山ICから乗ることにしました。パーク&ライドは伊予鉄公式によると満車の場合はご了承くださいと言うことで、前日に一回そこまで行って調査したわけです。(実際少なかった)
仮に当日満車になっても事前に余戸西ICに行ったり、高速道路で先回りして川内ICの駐車場を利用することも考えました。(ダメなら諦める)
プリキュア展でATCに滞在できる時間はおよそ2時間。ただ、阪急の大阪梅田駅北のバス停に定刻通りに到着した場合の時間であり、時間がなかった場合は中止になることもあるので油断はできません。そこが高速バスの欠点。
10月1日より元カシオペアの向谷実さんによるメロディが流れる。(伊予鉄のみ)
今回の高速バスは共に伊予鉄のものを使うわけですが、実は今月1日から市内電車(路面電車)、リムジンバス、高速バスで元カシオペアの向谷実さん(タモリ倶楽部(テレビ朝日)のタモリ鉄道クラブゴールドメンバーとしてお馴染み)によるメロディが流れるようになります。
なぜ伊予鉄と向谷さんかというと、伊予鉄グループ(持ち株会社)の社長である清水一郎さんが日本バス協会の会長を2021年から務めており、1903年から始まったバス事業が今年で120周年と言うこともあり、清水さんと向谷さんの対談が実現したのです。
清水さんはもう一つの顔を持っており、それが作曲家。
現在の伊予鉄の発車メロディなどは清水さんが手掛けています。伊予鉄の公式youtubeでミュージシャンである向谷さんとセッションをしたり、対談をした動画が上げられています。
今回のバス事業120周年でご一緒になったこととともに作曲家としての顔を持っているので今回のメロディが実現したわけです。
もちろん今回の大阪行きのバスでも採用されています。すごいですよね。
ただ、これは阪急では使われていないので注意。
向谷実さんが手がけた九州新幹線のメロディとポップンミュージックの楽曲です。どちらも元々Train Simulatorの楽曲。
ポップンミュージック公式サイト(該当箇所は削除済み)でwacこと脇田潤さんが向谷さんと対談した時に「すごい人なのです」「ポップンは13作と言ったらカシオペアは30年」と敵う相手じゃないと公言しています。
18年ぶりの高速バス、飛行機やJRと一緒で進化していた。
10月6日に松山IC付近の駐車場に車を停めて、バスに乗りました。駐車はあの時間で20台程度だったので余裕でした。またバスの到着時間が遅れたのは渋滞に巻き込まれたからだと思われます。大阪には定刻通り到着。
18年ぶりに高速バスを利用したわけですが、時間はかかるものの内装は進化しています。
大阪行きのバスはオレンジでめっちゃ目立つバスでしたが、電車のように色を変えたわけでなく新たに作られたものと思われます。その理由は内装。
伊予鉄によるとWifiや充電コーナーを設けているとのことでしたが、大阪行きに乗ったバスにはUSB-Aポートが備わっており、ケーブルを持っていけば充電が可能と言うことです。
ただ、注意書きに書かれている通りあくまでスマホ専用でありノートパソコンやゲーム機などの利用はできません。
松山行きのバスはオレンジの塗装でなく今までのホワイトにピンクとスカイブルーのバス。つまり型式が古いものとなります。(ただし、背面の「伊予鉄道」は「IYOTETSU」に変更されている)
その証拠に頭を乗せる布の部分の伊予鉄のロゴが現在の「IYOTETSU」でなく昔の「伊予鉄道」になっています。
また、充電もコンセント式になっています。これだとさらに充電器が必要です。つまり、バスによって充電の端子が異なる場合があるのでUSB-Aとそれを繋げる充電器を持っていくといいでしょう。iPhoneだったら昔出てた5Wの小さいやつとか。
椅子は色と年期以外ではほぼ同じものが採用。JRと比べたら頭を支える部分が少ないのが欠点です。(高速バスでもさらにいいものが採用されているものがある)
しかしフットレストとレッグレストを備えており、靴を脱いでかつ脚が置かれる状態で移動するのですごく快適です。飛行機(松山大阪便の場合)にはもちろんないし、JRでもグリーン車(8600系のみ)じゃないと使えないので、この価格でこれが実現すりゃJR苦戦するの納得だわ。
ただ、飛行機やJRにあるような座卓はありません。とはいえドリンクホルダーが下側になったのはいいですね。邪魔くさいので。
Wifiは新たに導入された車両と今までの車両で異なり、新車両はずーっと使い放題になってるのに対して今までの車両は途中で切れる仕様。この辺りは今のやつに統一化してほしいですね。
移動中は道路の状態によるけど結構揺れます。しかし斜めになることがないのでそこがメリットかな?
ちなみに向谷サウンドは大阪行きの梅田バス停できけました。松山行きは聴けませんでした。まだ導入されてないか運転手さんがスイッチをしてないかのどちらかでしょうね。(多分後者)
8000系のリニューアルが決定している。
そんな超快適な高速バスの室内ですが、JRも黙ってはいません。
JR四国は5月に特急電車の8000系をリニューアルすると発表しています。
具体的には気動車2700系と同じシートを採用(一部のぞく)、洋式トイレに統一、車椅子スペースを拡張、充電コンセントの標準装備(グリーン車、指定席者のみ、自由席は窓側)、色合いは8600系と同じにするそうです。
今年の12月(高松行き3両)、来年の8月(岡山行き5両)の1編成がデビューし、年間2〜3編成の工事を定期検査の時に行い、全てが完了するのは2027年度の予定。
8000系には酷評を受けてるグリーン車があるけど、それが2700系と同じようなシートになります。当然だけどフットレストとレッグレストが装備されます。
先日メディアに公開された伯備線の特急やくもの273系のグリーン車のシートにはレッグレストがありません。ただし個室が用意されているとのことです。
ただ、2700系の指定席は新幹線(例:N700系)と同じように足回りを広くするためにフットレストを撤去していますが、8000系ではどうなるかは不明。多分なくなるんじゃないでしょうか?
また以前のシートも張り替えて使う予定らしいです。4,5号車に以前までの指定席のシートを、6,7号車は30年使ってるシートっぽいですね。
6,7号車は高松行きなので現在の指定席シートが今後消える事になるのです。(ま、けちくさいとも取れるが・・・)
充電はUSB端子でなくコンセントを採用するので、充電器は必要になります。JRの列車でも充電できるコンセントやUSB端子がない特急車両(新幹線含む)は少なくなく、JR四国は積極的に設備の充実を図ろうとしています。
個人的に8600系は揺れがすごいので、8000系が時代に合わせて良くなるのは大賛成です。
引用元:四国旅客鉄道株式会社
JR四国バスとの違い。
ここでライバル会社であるJR四国バスとの違いを見てみましょう。
JR四国の子会社であるJR四国バスも松山から大阪への設定があります。以下にまとめましたのでご覧ください。
伊予鉄バス | JR四国バス | |
往復料金 | 13,500 | 13,500 |
片道料金 | 7,500 | 7,500 |
松山市駅バス停 | あり | なし |
JR松山駅バス停 | なし | あり |
松山ICバス停 | あり | あり |
松山IC〜大阪駅 | およそ5時間 | およそ5時間30分 |
到着場所 | 阪急三番街BT | JR大阪駅北BT |
その他到着場所 (一部夜行のみ) | 伊予鉄バス室町営業所 大街道、道後温泉 余戸南IC、川内IC 八幡浜、大洲、内子 JR新大阪駅 有馬温泉 宝塚IC 千里、千里NT USJ | JR四国バス松山支店 大街道、天山橋 川内IC JRなんば駅 三宮BT JR京都駅 高速舞子 USJ |
どこを通るの? | 八幡浜、大洲、内子 松山外環状道路 | 国道33号線 |
その他特典 | OsakaMetro1日乗車券 | OsakaMetro1日乗車券 |
こうみてみると基本的な仕様は変わりませんが、伊予鉄は余戸南ICに到着する都合上松山外環状道路経由で松山ICに行くのに対し、JR四国バスは天山橋BSに到着する都合上国道33号線経由となります。
あと伊予鉄はストレートに大阪駅(阪急)とJR新大阪駅に行くのがほとんどなのに対し、JR四国バスは三宮BTやJR難波駅を経由するため、30分余分にかかる計算となります。急ぎの場合は伊予鉄を使ったらいいし、難波(NGKなど)や三宮付近に用事がある場合はJR四国バスの方がいいでしょう。
今回のプリキュア展の場合は伊予鉄を使った方が有利でしたね。大阪着は数分程度の差ですが、移動時間が30分JR四国バスの方が多くかかります。
OsakaMetroの1日乗車券はどちらも設定されているので、100円課金で手に入るためおすすめです。この辺りは飛行機にはない特典です。(JRはJR路線が乗り放題の切符がある)
JR四国バスの公式を覗くとGoogleによる車内の写真が公開されており、シートの頭を抑える部分の横がJRの特急同様に出っ張っていることがわかります。
これにより頭を動かさずに移動ができるので、快適性で考えたらJR四国バスの方が上ですね。(ただし、これに当たるかどうかの保証はなし)
まとめ:JRが苦戦するのわかる気がした。
まとめです。
今回はプリキュア展リベンジのために伊予鉄バスの高速バスに乗って日帰りで大阪へ向かいました。
結論から言えば、JRが苦戦するぐらい快適だった事です。
特筆すべきはシートで、フットレストどころかレッグレストも備わっているので、5時間の移動も快適に過ごすことができます。
これがJRになるとグリーン車になってしまうため、往復で+9千円ほどかかる計算なのでコスパが悪すぎます。しかも現状は8600系のみ。
ただ、JRと比べて頭を支える部分が浅いのでその辺りはJRの方に分があります。
充電もちゃんと備わっていますが、バスによってUSB-Aかコンセントか異なるので両方持って行ったほうがいいでしょう。
それぐらいJRが苦戦するようなバスの進化を受けました。
当然JRも黙っておらず8000系のリニューアルを今年の12月に高松行きの特急列車から開始すると言うことで現在進行中です。その際にグリーン車(来年8月予定)にレッグレストが備わるので、快適性は相当上がると思います。ただ価格はグリーン車価格なので相当かかりますが・・・
飛行機は移動時間が少ないのでそこまで用意されておりません。それを考えたら長時間移動の際のシートは充実しなきゃダメやなと言うのを実感しました。
時間の飛行機、価格の高速バス、それに対抗できる策(設備、新幹線誘致)を講じようとするJR、今後も目が離せませんね。
・・・とは言え、四国はどれも他と比べて移動代がクッソ高いんだけどね・・・本四連絡橋の影響とライバルがいないから殿様商売するんじゃねぇよと思ったりするのは気のせいでしょうか?
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