【買い物】パナソニックの指定価格がアップルなどの定価よりタチが悪い理由。

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 2020年からパナソニックは一部の商品に限り値下げのできない「指定価格」を導入しました。あれから3年が経ち、その数は増えてきています。

 家電量販店では値下げができないので、どこで買うにも一緒ということである種のメリットはあるけど、実際のところどうなの?ということでお話しします。

なぜ指定価格を導入したのか?

引用元:株式会社時事通信社

 パナソニックが指定価格を導入した理由は色々あるけど、調べてみるとわかるのは「商品価値を高める」「開発に時間がかけられる」「適正価格で販売する(投げ売りしない)」というもの。

 パナソニックの主な取引先といえばご存知家電量販店。そこでは(販売奨励金を元に)連日商品がセールで売られたり、店員さんとの価格交渉で安くできて購入することができます。(逆に言えば安くなった商品が定価になり、奨励金を外した価格で大幅な価格設定ができる)

 パナソニックはそんな共倒れにもなりかねない事態を懸念して高価格帯商品を中心に値下げのできない指定価格を導入するわけです。

 これの大きな特徴は値下げできない以外にも「家電量販店はパナソニックに商品を返品できる」「開発に時間がかけられる」と言ったものがあります。

 実際商品が売れなければ量販店は在庫を抱えることになるし、それを処分しなければそれは文字通りゴミとなり損。もちろん商品価値も下がります。パナソニックは商品の返品に応じる代わりに値下げはしないでくれと要望したのが今回の指定価格というわけです。

結局エンドユーザーは損しかない。

 とはいえ、この指定価格に関してエンドユーザー、いわゆる購入者にとってはなんっちゃメリットがありません。

 今まで安く変えた商品も新製品&指定価格になれば価格も実質跳ね上がってしまいます

引用元:パナソニック株式会社

 わたしの場合、6枚刃のラムダッシュ(洗浄機付き交流式(ES-LS9N-K))を値段交渉で36,000円(保証除く)で買いましたが、元値は55,000円でした。割引率で考えたら34.5%です。(しかも購入当時、4,000円のキャッシュバックがあった)

 しかし現行機種のES-LS9Q-Kは55,440円と440円前モデルと比べて値上げしていますが、それ以上に値下げができません。

引用元:パナソニック株式会社

 また、ドラム式洗濯機NA-LX113BL(ヒートポンプ式の一番安いやつ)も発売当初は28万円したのが現在では19万円です。割引率で見たら32%。発売から1年が経つので値下げ幅も3割超えてますが、正直言って同じことが今後ラムダッシュで実現できるかどうかは不明です。

 それだけ値下げ交渉ができない=安く買えないというデメリットが生じています。それだけ個人的に印象はあまり良くありません。

 今後もこの値下げ幅は調査していこうと思う。

定価販売の方針は松下幸之助さんがいた頃から言われていた。

 今回の指定価格による定価販売ですが、過去にもパナソニックは小売と争ったことがあります。

 時は1964年、「いいものを安く」「価格破壊」をモットーに1兆円企業に成長を遂げた総合スーパーのダイエー(現在はイオンの子会社)。ダイエーは松下電器産業(ナショナル、今のパナソニック)の製品にも同じように大幅な値下げを敢行します。

 ところが松下はダイエーに対して出荷停止の措置をとります。そこでダイエーは松下に対して「独占禁止法に触れる恐れがある」として告訴します。

 松下の創業者である松下幸之助さん(当時会長)は「定価販売でメーカー・小売が適正利潤を上げることが社会の繁栄につながる」として共存共栄、和解の道を模索します。

 ところがダイエーの創業者である中内功さん(当時社長)は「いくら売ろうともダイエーの勝手、メーカーは文句言わせない」と貫き、幸之助さんの考えに応じませんでした。

 その後も両者とも姿勢を崩しませんが、1994年に和解します。

 これを「ダイエー・松下戦争」といい、幸之助さんが経営に携わっていた頃から松下(パナソニック)は「適正価格」にこだわっていたということです。

 実際パナソニックの品田正弘さん(社長)は「消費者はお店を回って価格交渉をするロスがなくなる。販売店はしっかり粗利を取ることができる。三方よしに近い」と語っています。つまり幸之助さんが考えていることを今のパナソニックがやってるわけです。

パナソニックはアップルよりもタチが悪い?

 ここで表題になってる「パナソニックはアップルよりもタチが悪い」というのは、ズバリ「値下げを絶対にさせてくれない」ということです。

Amazonですらほぼ定価。

引用元:パナソニック株式会社

 通販大手のAmazonでもパナソニック商品を扱ってますが、基本的にこちらも定価です。

 ただ、価格は少し上がっています。先述のラムダッシュES-LS9Q-Kの価格は56,000円します。これだけ考えたら値上げして少し割高になっていますが、ポイントを差し引けば55,440円になります。つまり同じ価格。

引用元:アマゾンジャパン合同会社

 同じように先日わたしが購入したドルツジェットウォッシャーもAmazonでは18,000円ですが、ポイントを差し引けば17,820円。こっちも同じ価格です。

 Amazon(直売)ですら値下げはさせてもらえず、ポイント還元分値上げしています。これは他のお店(ヨドバシカメラなど)も同じで、ポイント還元できるところはその分価格を上乗せしています。

 逆に定価で販売してるところはポイント還元(ヤマダ電機やエディオンなど)や現金値引き(ケーズデンキなど)は原則できません。

 先日開催されたプライムデーでもそれは反映されており、価格はそのままです。(ただし、ポイントアップはされてたような・・・)

今の家庭用ゲーム機は値下げしてくれない。

 同じ定価販売で知られるのは家庭用ゲーム機本体、そしてアップル製品。

 ゲーム機(Nintendo Switch、PS5など)もパナソニック同様に値下げされませんが、スーパーファミコンが現役だった頃は小売による値下げはありました。

 プレイステーションが現役だった頃は値下げは今のパナソニックのようにメーカー主導で値下げしていました。それはPS3の頃まで(改良含め)やってたと思います。PS4以降はマイナーチェンジの時に価格改定をしています。

引用元:任天堂株式会社

 任天堂のハードもソニーと同じですが、ニンテンドーDS以降はマイナーチェンジの時に価格改定(だいたい値上げ)が多くなります。(DSlite、DSi、NEW3DS、スイッチOLED)

 それでも値下げは行われており、3DSに至っては25,000円と高額だったこともあり、発売から半年が経たぬうちに15,000円に値下げしました。3DSは「状況が変わってしまい、今手を打たなければならない」と当時の状況から普及できないと判断してイレギュラーながらも値下げしています。

 WiiU以降になると基本的に値下げはしなくなってます。さらに言えばPS5は半導体不足や物価高騰も影響して5千円の値上げに踏み切っています。

アップル製品は定価販売が基本だが、セールを実施する場合がある。

 アップル製品も基本的に通販、小売ともに定価販売です。しかし型落ち品やセールで10%前後の値下げを小売で行うことがあり、パナソニックやゲーム機ほど厳しくないということがわかります。もちろんAmazonでもセールで値下げすることがあります。

 実際、先日のプライムデーでもiPad(第9世代)が安く販売されていました。ただ、アップル製品、特にMacやiPadなどの値下げは一つの商品でも頻繁に起こるものではありません。

 公式での値下げは型落ち品になったものぐらいで、パナソニックのように定期的な値下げはなされません。仮になるとしたらそれは円高になった時です。

 近年ではMacBook AirのM2チップ13インチモデルが1,099ドルと100ドル値下げしましたが、日本価格はそのままです。(ただ、この商品は型落ち品とは言い難い)今後iPhone15が出た時にiPhone14やiPhone13が継続販売しつつ値下げされる場合があると思われます。

パナソニックの指定価格商品をお得に買う方法。

 ただでさえパナソニックの商品は他と比べてバカ高いのに指定価格で値下げできないことを考えたら欲しくなくなる場合があります。

 それでもパナソニックがいい!という方のために、できるだけお得に買う方法をお話しします。

公式による値下げを狙う。

 パナソニック自体、指定価格商品をそのままの価格でずーっと販売しているわけではありません。

 先述のドラム式洗濯機NA-LX113BLも発売当初は28万円で販売していたものが、現在の価格は19万円と値下げしています。(わたしが洗濯機を買った当時は21万円)

 つまり時期を見て値下げをすることがあるのです。それは1年単位もあるけど数ヶ月単位。NA-LX113BLの場合2〜3ヶ月に1回、値下げを行なっています。価格は1〜2万円程度。

 絶対しないわけでなく数ヶ月に1回の価格改定を行うので、それで大幅に安くなる可能性(=処分売り)があるっていうことです。特に新製品が出る直前は目をつけたほうがいいと思います。

 アップルやゲーム機の場合は基本的に公式で値下げすることはまずなく、アップル製品の値下げはiPhoneの型落ちや新製品が出たタイミングでの値下げになるぐらい。(あくまでアメリカ価格の場合、日本だと円安の影響でそのままになることも)

大幅な値下げは期待できないかも?

 ただ、大型商品は数万単位の値下げが実現できそうですが、シェーバーなど数万円の商品に関しては未知数っていうのもありますが値下げは微々たるものになると予想されます。

 ドルツジェットウォッシャーもわたしが購入した17,820円のものもできてもせいぜい15,000円ぐらいじゃないかな?

 ラムダッシュも55,440円から下がるとしても4万円台が限界かも。36,000円で買えるのであれば本当にお買い得ですが、実現できるかどうかは不明。

 個人的にDIGAを買い替えたいので、どれだけ下げてくれるかが気になるところです。

 この辺りは調査したほうがいいかもしれません。

クレジットカードのポイントをもらう。

 パナソニックの指定価格商品はポイント還元ができないorポイント分値上げしています。

 ただ、これは販売するお店(ヤマダ電機、エディオン、Amazonなど)のポイントに限った話。

 クレジットカードで購入した場合、クレジットカードのポイントが付与されます。このクレジットカードのポイントは関係ないのでパナソニック製品を買うのであれば現金よりもクレジットカード(できるだけ還元率が高いほうがいい)のほうがいいと思います。

 汎用的に使うのであればNTTドコモのdクレジットカードや楽天グループの楽天カードなんかがいいと思う。ポイント還元狙いだったらたくさんあるのでキリがないので省略。

キャッシュバックキャンペーンを狙う。

引用元:パナソニック株式会社

 パナソニックは定期的にキャッシュバックキャンペーンを行なっており、購入した商品の保証書とレシートの写真をパナソニックに送ると購入金額からキャッシュバックされます。

 種類はセブンイレブン経由で現金をもらうか、電子マネーに切り替えるなどさまざまです。

 わたしの場合、ラムダッシュとドルツジェットウォッシャーを購入する際に確認して応募、現金をもらいました。

 このように値下げできない分何かのお得キャンペーンを狙って買うのはありだと思います。

実は・・・

引用元:パナソニック株式会社

 実はこの指定価格商品、時期が過ぎれば対象から外れる場合があります。

 実際遭遇したのはワイヤレスイヤホン。

 EAH-AZ60はTechnicsブランドのハイエンド商品(当時)で、価格が27,720円していました。当時はそこまで書かれていませんでしたが指定価格商品です。(パナソニック公式でも明記されている)

 今年に入って2.4万円台に値下げした後、6月に新商品(EAH-AZ60M2とハイエンドモデルのEAH-AZ80など)が発売され、AZ60は型落ち品となりました。

 そこから価格がまばらになっています。

 実際ヤマダ電機では18,810円、ヨドバシカメラでは17,800円で販売しています。(7月中旬の執筆時)

 家電量販店の方に聞いたところ「型落ち品になったら指定価格から外れる場合がある」とのことです。つまり「現行機種でなければ価格交渉が出来る場合がある」というらしいです。

 指定価格から外れた場合、価格交渉(値下げ交渉)は可能になります。ただ、ポイントについてはつけることがない(できない)場合があります。実際ヨドバシカメラの通販サイトでもポイント還元はありません。

 もちろんこれはパナソニックの了解がなければできないので、全部の型落ち品が出来るっていうワケではないと思います。この辺りは調査が必要ですね。

このEAH-AZ60は2021年から発売されており、発売から2年という長期にわたって27,720円で販売していることから「開発に時間がかけられいる」ことが分かります。(といったってM2はマイナーチェンジ程度だけど)

結局魅力がなければ買わない。(どこのメーカーにも言えることだが)

 とはいえども、パナソニックだろうがソニーだろうがシャープだろうが東芝だろうが日立だろうが、自分にとって魅力のあるものじゃないといくら価格が高かろうが安かろうが買いません。

 それだけメーカーは切磋琢磨してるわけです。

パナソニックの商品は昔から高いと言われており、同じ性能のドラム式洗濯機で考えたらシャープや東芝の方が安い場合があります。とはいえ、ウォータージェットのようにパナソニックの方が安い場合があるので、一概にも言えません。

まとめ。

 まとめです。

 本日はパナソニックの指定価格がアップルよりもタチが悪いということでお話ししました。

 タチが悪いのはただでさえ高いのに「頑なに値下げ(交渉)をさせてもらえない」ということです。

 ポイント還元や現金値引きは一切応じることができず、ポイントが付与された場合はポイント分値上げされています。実際Amazonでも行われています。

 ただ、パナソニック自体もそれじゃダメということで定期的に数ヶ月単位で値下げを実施しています。ドラム式洗濯機のNA-LX113BLの場合、28万円から19万円と32%の値下げを実施しています。

 これが他の商品でも大幅な値下げが実現できればいいのですが、こればかりは分かりません。

 とはいえ、価格交渉の手間が省けるメリットがあるのは利点です。

 一方でアップル製品の場合はAmazonなどでセールになることはありますが、公式による値下げはiPhoneの型落ちや一部の部品(新製品による改定など)、円高を除き実施されません。これがパナソニックとの違い。

 値下げできない分お得に買うのであれば「値下げのタイミングを長期的に待つ(指定価格から外れるのも含む)」「キャッシュバックを狙う」「クレジットカードで支払う」といった方法を活用するといいでしょう。一番現実的なのはクレジットカードですね。

 今後もパナソニックは指定価格(定価販売)の幅を広げると思いますが、値下げを一切しないわけじゃないので、タイミングを見て検討するといいでしょうね。

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