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10月22日、ドラゴンクエスト・ダイの大冒険(テレビ東京/TBSテレビ)(以下、テレビ東京版)は100回の放送で無事終了しました。3月の東映アニメーション不正アクセス事件に負けずに無事やり遂げました。
そんな中、TBSテレビ版のことを話題にしていたユーザーもいました。本日はそんなTBSテレビ版ダイの大冒険がなぜ話題になったのかをお話しします。
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ダイの大冒険は単行本ペースで2年を予想できていた。
今回のテレビ東京版は制作発表当初から全部やると発言されました。
実際の放送でも2021年3月初旬のベンガーナデパートの回(レオナの「これどうかな?」回)までの5ヶ月で単行本8巻まで達成したペース。つまり1ヶ月2巻分を想定しており、全37巻ですから2年で48巻分になるため、ペースで考えたら1ヶ月1.5〜2.5巻分のペースになります。
当初は秋編成のタイミングで終わる予定でしたが、3月の東映アニメーション不正アクセス事件により5週分放送できなくなり、10月にずれ込んでしまいました。
この事件がなければ9月17日に放送終了でした。
だからわたしの場合10月に仕事の都合でテレビ東京が映らないところに引っ越してしまったために10月8日から22日の3回分はDIGAに保存できなくなり、ブルーレイ最終巻を購入する羽目になりました・・・
TBSテレビ版と異なり、地上波放送は少ない。
今回のテレビ東京版はテレビ東京系列(北海道、関東、中部、近畿、岡山香川、福岡)以外ではTBSテレビ系列のRKK熊本放送(TBSテレビ版も放送実績あり)とUHF独立局のテレビ和歌山とびわ湖放送のみ。
他はBSCSのアニマックスとアマゾンプライムなどの動画配信となるため、DIGAなどのレコーダーでの保存ができるエリアはアニマックスを契約しない限り本当に限られています。当然愛媛では放送されません。
BS JAPAN(現在はBSテレビ東京)も非対応だったため、それだけ地上波で見れるところは限られてるのです。
TBSテレビ版は木曜19時からの放送で、当時はTBSテレビ(当時東京放送)含むJNN27局とABS秋田放送(日本テレビ系列)、JNNで現時点で一番最後に開局されたあいテレビ(愛媛県)で放送されました。
あいテレビについては開局直前のサービス放送で最終回が放送され、後日遅れ放送されました。(あいテレビについては後述)
TBSテレビ版ダイの大冒険とは?
TBSテレビ版ドラゴンクエスト・ダイの大冒険は先述の通りJNN系列27局+秋田放送、あいテレビで放送されたアニメです。放送期間は1991年10月17日〜1992年9月24日まで、全46回放送。
アニメ制作会社はテレビ東京版同様東映アニメーション(当時は東映動画)、音楽は原作ドラゴンクエスト(ゲーム)のものがアレンジで使われていました。担当者はもちろんすぎやまこういち先生。当時はドラクエ5が発売されてなかったため、4までの音楽です。
主題歌は帰ってきたウルトラマン(TBSテレビ)で知られる団時朗さんが担当。エンディングはドラクエ2のものが採用されています。ちなみに作曲はどちらもすぎやま先生です。
おもちゃ担当はタカラ(現在のタカラトミー)が担当していました。つまりテレビ東京版と制作会社、おもちゃ担当が同じなのです。
テレビ東京版と異なりビデオゲーム(家庭用、業務用、スマホなど)は発売されていません。
テレビ放送に先駆けてパイロット版という形で1991年の春に公開されました。その後TBSテレビ制作で同年10月より放送開始。視聴率やグッズの売り上げも良かったといいます。
キャスト陣。
改めて主要キャラクターのキャスト陣を以下に掲載します。TBSテレビ版のキャストは今となれば「豪華」と書く方もいらっしゃいますが、当時は当たり前のキャストでした。(テレビ東京版ものちに言われるよ)
レオナ役の久川綾さんは放送開始当時23歳(現在53歳)で、ポップ役の難波圭一さんが34歳(現在65歳)、そしてダイ役の藤田淑子さんが当時41歳(2018年に68歳で逝去)でした。
あと、マザードラゴンとヴェルザーを並べたのは担当者がアンパンとバイキン(しかも他局w)だからです。w
TBSテレビ版 | テレビ東京版 | |
ダイ | 藤田淑子 | 種崎敦美 |
ポップ | 難波圭一 | 豊永利行 |
マァム | 富永みーな | 小松未可子 |
ヒュンケル | 堀秀行 | 梶裕貴 |
レオナ | 久川綾 | 早見沙織 |
アバン(番組ナレーター) | 田中秀幸 | 櫻井孝宏 |
ゴメちゃん | 冬馬由美 | 降幡愛 |
クロコダイン | 銀河万丈 | 前野智昭 |
マトリフ | 青森伸 | 山路和弘 |
アポロ | 緑川光 | 阪口周平 |
マリン | 江森浩子 | 安野希世乃 |
エイミ | 冬馬由美 | 石川由依 |
バダック | 田原アルノ | 多田野曜平 |
メルル | 南場千絵子 | 小原好美 |
ミストバーン | 難波圭一 | 子安武人 古川登志夫(本体) |
キルバーン(ピロロ) | 田中秀幸(ロボット) 江森浩子(ピロロ) | 吉野裕行 |
フレイザード | 山口健 | 奈良徹 |
ザボエラ | 龍田直樹 | 岩田光央 |
ラーハルト | なし | 石田彰 |
マザードラゴン | 小林通孝 | 戸田恵子 |
ヴェルザー | なし | 中尾隆聖 |
バーン | 内海賢二 | 土師孝也(老年) 子安武人(真大魔王) |
ハドラー | 青野武 | 関智一 |
ソアラ | 山崎和佳奈 | 茅野愛衣 |
バラン | 石塚運昇 | 速水奨 |
ブラス | 田の中勇 | 緒方賢一 |
ゴメちゃんは國府田マリ子さん、ブラス爺ちゃんは滝口順平さんも演じてますが、
どちらも劇場第1作のみです。(TBSテレビは関与してない)
なぜダイの大冒険は打ち切られたのか?
理由はTBSテレビの都合。
ダイは先述の通り評判も上々で放送延長が計画されていましたが、TBSテレビの大幅な番組枠改編の影響で予定通り1年で終了となりました。
表題にある通りラーハルトら竜騎衆のメンバーも登板予定でした。
そのため、関連商品でラーハルトたちがラインナップされていたのです。
当然、1992年に週刊少年ジャンプで公募されたコスチュームがTBSテレビの電波に乗ることはありませんでした。ちなみに右上のロゴは当時TBSテレビ版で放送される際に作られたロゴ。原作もそれに合わせて変更しています。(単行本除く)
ですが予定変更を余儀なくされダイの父親であるバランがダイの記憶を消す部分を変更。その後戦いの末バランは撤退するところで終了しました。
レオナはダイのことを「ダイくん」と呼びますが、映画3作目とテレビ終盤はなぜか「ダイ」と呼び捨てになってます。脚本担当が理解してないのかも・・・違和感はあったよ。
その大幅な番組枠改編で登場したのが「ムーブ」です。
ダイ以外で打ち切られた番組。
ダイ以外で打ち切られた番組は以下の通り。一部はTBS黄金期を象徴する番組でした。
- ドラゴンクエスト・ダイの大冒険
- クイズ100人に聞きました
- わいわいスポーツ塾
- ギミア・ぶれいく
- 北緯35度の風(毎日放送制作)
- 近藤正臣の味覚人情報(毎日放送制作)
- 料理天国
- KATO&KENテレビバスターズ
- Goodジャパニーズ
近藤正臣さんの番組は土曜18時台に移り、新伍のワガママ大百科(毎日放送)として始まったのちにアニメ枠に移行します。現在は金曜深夜に放送されてるスーパーアニメイズム枠です。(現在の日曜17時は別枠)
また、以下の番組は放送時間を移行しています。
- そこが知りたい(火曜19時→20時に移行)
- 連続ドラマ枠(火曜20時→21時に移行)
特にギミア・ぶれいくは生みの親的存在である大橋巨泉さん(当時セミリタイアでセーブしている)が最終回でTBSの社長に直談判していました。
その後THEプレゼンター(TBSテレビ)として日曜19時半の放送に実質移ることになり、3年半放送されました。
元々この番組は「社運バラエティー」と位置付けており、最終回で巨泉さんはその旨を語ってました。
ただ、ダイのように売上が好調だった裏で視聴率含めてそうでない番組があったのも事実で、クイズダービー(TBSテレビ)は巨泉さんがセミリタイアし、徳光和夫さんに変わってから(テコ入れで)失速して同時期92年末に終了。
テレビバスターズもカトちゃんケンちゃんごきげんテレビ(TBSテレビ)のリニューアルということもあり、全部が全部好調というわけではありません。
むしろフジテレビや日本テレビに負けてる状態だったといいます。
特に水曜日はドラゴンボール(フジテレビ)という強敵があったからそれだけTBSテレビも意識したんでしょうね。
ムーブとは?
ムーブとは月曜から木曜の19時から1時間(厳密には54分)放送された帯番組ゾーンのタイトルです。
メイン司会者と番組を以下に挙げます。(太字はメイン司会者)どの番組も司会者の冠番組です。ただし紳助さんのみ「島田」の亭号のみ&使われなくなりますが。
番組名 | 司会者(敬称略) |
関口宏の東京フレンドパーク | 関口宏 渡辺正行 |
三宅裕司のぎゃっぷウォーズ 三宅裕司のどこが違うの? | 三宅裕司 |
島田弁護協会 テレビ進学塾 | 島田紳助 佐藤B作(テレビ進学塾のみ) |
上岡龍太郎の男と女ホントのところ | 上岡龍太郎 |
TBSテレビの秋の改編の大きな目玉として発表され、関口さん、三宅さん、紳助さん、上岡さんの4人が一斉に並んで番組をアピールしました。
当時のTBS社長(磯崎洋三さん)の「鶴の一声」で大量の番組(ダイ含む)を打ち切ってスタートしましたが、結果が振るわず1年で終了。
特に大変だったと思うのが紳助さん。紳助さんの番組の裏番組がドラゴンボール(しかもセル編)だったこともあり、思うようにいかなかった。
その後同じ趣旨の「ザッツ!」って枠にするものの、これも結果が振るわずに終了してしまいます。結果として好調な番組を切ってまで放送しましたが、ダメだったのです。
ザッツ枠の番組は以下の通り。
番組名 | 司会者(敬称略) |
関口宏のPAPAパラダイス | 関口宏 |
ウェディングベル | 徳光和夫 生島ヒロシ 三雲孝江 |
コサキンルーの怒んないで聞いて! | 小堺一機 関根勤 ルー大柴 |
上岡龍太郎VS50人 | 上岡龍太郎 |
この段階で三宅さんと紳助さんは撤退しています。
「ムーブ」と「ザッツ!」の違い。
ムーブとザッツ!は同じように見えますが、一部異なります。
- 共通オープニングがある。
- 共通エンディングテーマがある。
- ステレオ放送。(ただし一部分のみ)
ザッツ!になってからそれがなくなります。
残った番組。
しかし、それでも残った番組は存在します。
その番組は「関口宏の東京フレンドパーク」「ウェディングベル」そして「上岡龍太郎の男と女ホントのところ」です。
ザッツは1994年3月までの半年実施していましたが、同様に振るわずゾーンとしては終了します。
ウェディングベルと上岡龍太郎VS50人は枠終了後も継続、後者は「上岡龍太郎がズバリに」変更してそれぞれ1997年3月、1996年9月まで放送されました。
当時はダイ含め木曜日が苦戦していたと言われており、上岡さんの番組で安定します。また、木曜20時台もダイが放送されてた当時ダウトを探せ(毎日放送)を放送しており、こちらも好評だったことからのちに「2」が放送されました。(ちなみに司会者はムーブ、ザッツで司会してた紳助さんと徳光さん→渡辺さん)
そして関口宏の東京フレンドパークは半年間の「休園」を経て関口宏の東京フレンドパークII(TBSテレビ、以下TFP2)に名前を変えて1994年4月から2011年3月まで(放送時間を変えながら)17年間放送されていました。(その後特番で放送)
TBSテレビ関口宏枠で考えたら100人に聞きましたが始まった1979年から2012年(世紀のワイドショー・ザ・今夜はヒストリー(TBSテレビ)含む)の33年間担当しています。(一時期放送時間が異動になったが)
TFP2はなぜ「2」になってるかというと、本来「1」が存在しており、それが今回取り上げたムーブ枠の一つとなるのです。
TBS黄金時代の恩恵を受けることができなかったあいテレビ。
愛媛県のTBSテレビ系列局であるあいテレビ(当時、伊予テレビ 以下ITV)は1992年10月に開局されました。JNN系列で現時点で一番最後に開局された放送局です。
先述の通り、ITVはダイの大冒険が終了した直後に開局している(サービス放送で最終回を放送した)ので、ダイの大冒険自体は放送されましたが遅れ放送(TBSテレビから購入する形)となっていました。
当時の愛媛県は日本テレビ系列の南海放送(以下、RNB)とフジテレビ系列の愛媛放送(現在のテレビ愛媛、以下EBC)しかなく、TBSテレビの番組をほとんど知ることができませんでした。
RNBやEBCがTBSテレビの番組を購入して放送していましたが、それでも8時だョ!全員集合(TBSテレビ)やクイズダービーといったTBS黄金時代を象徴するテレビ番組は愛媛で一部放送されませんでした。(料理天国はRNBで放送実績あり。)
そのため、オレたちひょうきん族(フジテレビ)との戦争に立ち会う事なく、ひょうきん族一択だったわけです。わたしの場合。
どうしたか?というと、県外電波を受信するしかなかったのです。具体的には広島の中国放送、山口のテレビ山口、岡山香川の山陽放送(現在のRSK山陽放送)、大分の大分放送です。
実家は当時テレビ山口の電波を拾っていたので、問題なく許容できていました。(当然ダイもリアタイで視聴。)
また、RNBはTBSと関係も良好だったことがあり、スポンサーの都合も含めてITV開局から1年間ぐらいは一部番組がRNBで放送されていました。(例:関口宏のサンデーモーニング(TBSテレビ))
本来RNBはTBSテレビ系列になりたかったというのもありますが、当時の回線事情で日本テレビ系列になったそうです。(徳島の四国放送が回線を握っており、日本テレビ系列のため)
2009年の改編も失敗。
その後TBSは普通に事業しますが、2009年に持ち株会社に移行。社名を東京放送ホールディングス(現在はTBSホールディングス)とし、テレビ局として東京放送(TBS)から株式会社TBSテレビに移管します。(TBSラジオは移管済み)
それと同時に行われたのが19時台の報道番組「総力報道!THE NEWS」です。
TBSテレビはTBSの持ち株会社移行に伴い、「第2の開局」として大幅なイメージチェンジをしたかったこともあり、目玉としてゴールデン枠にニュースを持ち込んだわけです。同時にニュースのブランドを「JNNニュース」から「THE NEWS」に移していました。(終了後元に戻る)
結果としては大失敗し、ムーブ同様1年で終了してバラエティ番組に戻ります。これの大きな影響を受けたのがTFP2。
月曜19時から放送されていたのを木曜20時に移動、そこで人気が下降したともいいます。その後元の時間に戻すも視聴率で苦戦してリニューアルを試みるも結果が出ずに2011年3月に閉園(終了)します。
まとめ。
まとめです。
今回はドラゴンクエスト・ダイの大冒険がテレビ東京系列で無事放送終了しました。
ところが、TBSテレビ制作のは途中で打ち切られました。なぜそうなったのかを解説してみました。
ダイなど人気番組を打ち切ってまで作られたのがムーブです。関口さん、三宅さん、紳助さん、上岡さんをメインに据えたバラエティ番組枠でした。
結果としては失敗。ただ関口さんと上岡さんの番組は長期にわたって放送されていました。ザッツ!もウェディングベルのみ放送継続でした。
とはいえ、ムーブ移行前もTBSテレビはフジテレビや日本テレビに苦戦しており、当時も人気番組とそうでない番組があったのも事実です。
その後、2009年にTBSが持ち株会社に移行したと同時に株式会社TBSテレビが「放送局」となり、「第2の開局」と言うことでゴールデンにニュースを持って行きましたが、失敗。それの影響でTFP2にも影響が出たと言われています。
このようにムーブだろうがTHE NEWSだろうがTBSテレビが大々的に宣伝したものは失敗してる印象を受けますが、それでも成功した番組もあります。
今後もTBSテレビはもちろんだけど、他局も改編でいじってくることはあるけど、どうなるか見ものです。
ちなみに日本テレビも2009年に名探偵コナン(読売テレビ)やぐるぐるナインティナイン(日本テレビ)を追いやってやったサプライズも大幅にコケました。(その後1900枠になって現在は廃止)
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