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先日、「ヤリスは本当にオワコンなのか、分析する」と題し、ヤリスクロスやアクアの登場で存在感が薄くなりつつあるヤリスについて考察してきました。結論から言えば「オワコン臭はあってもオワコンじゃないが、売りも無くなってる」です。
その中でフィット(ジャズ)についても解説しています。結論として「フィットは売れてないと言われてるが、堅調な売れ行き」という結果でした。
しかし、これは2020年のデータで今年2021年になると販売台数がおよそ10万台のヤリスの半分の5万台と昨年の対ヤリスの販売台数の割合が8割から5割に減少しています。
ノートはAURAが出たことによりさらに販売台数を上げています。ヤリスはアクアの影響で失速気味とはいえ、それでも10万台とまだまだ好調です。(以上ヤリスクロスの販売台数除く)
そう考えたら、ほんまにやばいのはフィットじゃね?と思う時もあるのです。本日はそんなフィット(四代目)は本当に今オワコンなのか分析してみたいと思います。
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フィットとは?

フィットとは本田技研工業(以下、ホンダ)より2001年から発売されたコンパクトカーです。
当時はトヨタ自動車のヴィッツやカローラが席巻していた時期で、ホンダも対抗して出してきました。
一番の売りはやはり室内の広さです。ホンダはセンタータンクレイアウトという特許技術を持っており、それによって後席につけるはずのガソリンタンクを前席下に置くことができるようになります。
これによって5ナンバーのコンパクトカーながら十分な広さを確保できるということです。これが狭いヴィッツや大きすぎるカローラと比較して小さいのに広いと大ヒットしました。
2020年2月にヤリスとほぼ同時期(少し遅れて)発売されたのが四代目です。この四代目フィットと四代目ヴィッツこと現行ヤリスとの大きな違いは以下の通りです。
- 電動パーキング全グレード標準装備。(ヤリスは欧州版のみ)
- 最上級のLUXEは本革シート標準装備。(ヤリスはZグレード合皮別売り)
- 広々空間と質感の良いインテリア。(ヤリスは狭くて安っぽい)
- 4気筒エンジン。(ヤリスは3気筒)
そのため、実際乗車された方や評論家の評価はヤリスよりも良いとも言われているそうです。特に電動パーキングはフィットの大きな武器となっており、電動パーキングがなく、渋滞対策が不十分なヤリスと比べて快適なのは事実です。
フィットのエクステリアは賛否両論。

しかし、電動パーキングのないヤリスは現在でも堅調に売れているのに対し、フィットは今年に入ってから大失速しています。
その理由としてよく挙げられるのは「外装デザインがだっさい」こと。

ヤリスは狭いけど外装はすごくスポーティに仕上げています。方やフィットは3代目のようなスポーティなデザインから「しば犬」と呼ばれる丸っこいデザインになり、賛否両論となっています。
このデザインが仇となってるのかは不明ですが、少なくとも売れ無くなってるのは事実です。

ちなみに、内装はフィットの方に軍配が上がります。

ヤリスはシンプルにデザインされ、プラスチッキーが目立ってしまうために安っぽい。これはZグレードのソフトパッドも同様。フィットはその辺りカバーしています。LUXEになると最強です。
本田技研工業のライバル車の存在。
フィットが売れない理由はデザインだけじゃないと思う。

ホンダはフィット以外にもNシリーズ、特にN-BOXという超強敵がいます。N-BOXの売り上げはヤリスシリーズを上回り、発売から10年が経った今でも売れ続けている超ロングラン商品です。

N-BOXは軽自動車でありながら内装の高級感やフィットと同様に室内の広さをアピールしており、現在における軽自動車のワンボックスカーのキングに位置します。
N-BOXは今まで電動パーキングが装備されず足踏みパーキングでしたが、12月にマイナーチェンジで電動パーキングが装備されます。当然全車速対応の渋滞対策も万全。

さらに今年に入ってからはヴェゼルもモデルチェンジを行いました。ヴェゼルはSUVですが、フィットの大きい版、ヤリスでいうヤリスクロスのようなものともとれそうです。
ヴェゼルも堅調に売れており、最上位のPLaYは半導体不足もあり新規契約中止にまで追いやられています。内装もフィットと被る部分があります。
このようにヤリスもオワコン臭が漂ってるが、フィットもオワコン臭が漂っているのです。ヤリス同様に自社製品によって。しかも売れ続けているヤリスと異なり今年に入ってから大失速しています。
リセールがゴミ=減価償却が高い。(N-BOXやヴェゼルと比較して)

フィットだけでなくアクア、ヤリス、ノートにもいえるのですが、コンパクトカーは3年4割前後と総じてリセールがう○こ。それでもフィットはまだマシな方。
それに対し、N-BOXやヴェゼルは売れセンの軽自動車とSUVであるため、リセールはフィットと比べてべらぼうにいいのです。共に3年7割前後と言われており、コンパクトカーがいかにコスパ最悪かを痛感させる事態となってます。
ただし、ヴェゼルなどのSUVは重量税やタイヤ代など維持費はかかるし、N-BOXは軽自動車のためエンジンのパワー不足は否定できません。だから一概にコンパクトカーがコスパ最悪とは限らないのです。
このように資産価値的に考えてフィット(というよりコンパクトカー)を敬遠するユーザーも少なからずいるんじゃないでしょうか?
フィットにあるもの、ないもの。
フィット、N-BOX、ヴェゼル、ヤリスと比較してあるもの、ないものを以下の表で表してみました。(◎:全グレード標準装備、○:一部グレード標準装備、△:別売り、×:装備不可)
フィット | N-BOX | ヴェゼル | ヤリス | |
排気量(L) | 1.3/1.4 | 0.66 | 1.5 | 1.0/1.5 |
電動パーキング | ◎ | ◎(12月より) | ◎ | × |
アルミホイール | ○ | ○ | ○ | △ |
LEDライト(フル、部分問わず) | ◎ | ◎ | ◎ | ○ |
モニター | △ | △ | △ | ◎ |
カーナビ | △ | △ | △ | △ |
360度モニター | × | × | △ | △ |
ブラインドスポットモニター | × | × | △ | △ |
シートヒーター | ○ | ○ | ○ | ○ |
USBポート(ヴェゼルは後席含む) | 2 | 2 | 2/2 | 1 |
本革シート | ◯ | × | × | × |
合皮シート | ○ | ○ | ○ | △ |
こうみると、電動パーキングやLEDライト(フル、サブ問わず)が今回取り上げたホンダ車3種ともに標準装備されるということで、すごくコスパがいいですよね。
ヤリスは全グレード標準装備というものがモニター(ディスプレイオーディオ)とToyota Safety Senseを除けばない。それを考えると同価格帯のフィットと比較すれば装備は微妙、超割高で微妙。
しかし、フィットやN-BOXにはない360度モニター(パノラミックビューモニター)やブラインドスポットモニターが取り付けられるのは大きい。(あくまで純正品に限る)
シートヒーターに関してもヤリスはZは標準で、Gは別売り。N-BOXやヴェゼルも下位グレードの2WDを除き標準装備に対して、フィットはLUXE、MuduloX、特別仕様車のみになります。つまり、下位グレードはないということです。N-BOXはあるのにね。
総合的に装備が充実するのはやはりヴェゼルになりますが、小回りや税金、維持費を考えたらトータルでいいのはN-BOXになるんでしょうね。
そう考えると、フィットは中途半端な立ち位置になってると感じてしまいます。装備がしょぼいヤリスよりも売れないのはヤリスが強いっていうのもあるけど社内のライバルが強すぎるからじゃないかな?と感じます。
ヤリスはヤリスでテコ入れは必要だが、フィットもテコ入れは必要な時期。

まとめです。フィットは「売りはあるけど、今のままでは失速しかねないので、テコ入れは必要」です。特にヴェゼルやヤリスにあるパノラミックビューモニターなどの対応、賛否のあるデザインの変更とか。
ヤリスはアクア、ヤリスクロス、ライズの登場でオワコン臭がただよい、フィットはN-BOXとヴェゼルの登場でオワコン臭が漂ってると感じてしまいます。
現実、ヤリスはアクアの登場により失速し、売り上げ台数がフィットとトントンとなる可能性も。これは納期の都合もあるが、それ以上に「ヤリスハイブリッドが売れなくなる要素」があるからだと思います。
ヤリスは電動パーキングや一部グレードにアルミホイールが標準装備さえすれば、比較するときにヤリスをボッコボコに叩いていた評論家連中の評価は少なくとも変わってくると思います。
フィットはヤリスと比べて広々空間が評価されていますが、パノラミックビューモニターが装備できないため、助手席横のサイドミラーの死角は嫌でも見えてしまいます。(評論家の大半は何故かそれを指摘しない)
そう考えると、N-BOXもそうですがフィットはそろそろパノラミックビューモニターとブラインドスポットモニターをつける時期に来てると感じます。
しかし、N-BOXは強すぎますよね・・・今度は電動パーキングつけるわけですから。
なお、運転そのものは確認してない(機会がない)ので評価しません。今回はこれまでの傾向や情報を見て執筆しました。いずれにしても一回試乗することをお勧めします。
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