いつもご覧いただき、ありがとうございます。
ご存知トヨタ自動車が誇るコンパクトカー・ヤリス。発売以来ほとんどの月で売り上げトップを誇ってるモンスターカーです。
そんなヤリスですが、後発のアクア、ノート、ライズの改良などでオワコン臭が漂ってると何回もこのコラムで書きました。
そこで、今回はそのヤリスが本当にオワコンなのかを分析してみようと思います。
Contents
ヤリスの「真の」売り上げ。
自販連が出しているヤリスの売り上げというのは、ヤリス、ヤリスクロス、GRヤリスを合算した数値となります。これはカローラシリーズと同じで結構セコいとも言われ賛否両論です。
そこで、いろんな資料を集めつつ、算出したヤリス、ヤリスクロス、GRヤリスの真の売り上げをまとめてみました。
ただし、わからないところもあるので、その辺りは仮定として留めておいてください。仮定してる内容は「GRヤリスの月の売り上げ」「ヤリスの売り上げ」など。ヤリスクロスは先日ある記事で売り上げをまとめたのがあったのでそれを引用、他は基本的に一部を除き自販連の売り上げを引用しています。

ここでわかることは以下の通りです。
ヤリスとヤリスクロスでほぼ半分の売り上げ。
今はヤリスクロスの方が売れてると思われるけど、実際のデータをもとに考えるとヤリスとヤリスクロスの月別の売り上げの比率はほぼ互角。全体の売り上げではヤリスの圧勝。
後でも書きますが、ヤリスはどちらかといえばガソリン車、ヤリスクロスはハイブリッドカーの方がウェイトを占めているそうです。だから街中で見るヤリスやヤリスクロスはそういったものが多いのです。
ヤリスクロスは発売以降、着実に売り上げを上げており、ヤリスを超えることもあります。現在はアクアの登場も影響してかヤリスクロスの方が少しだけ売り上げ率は高くなっています。
メディアは「ヤリスが純粋に売れてるとは言い難い」ということもあるように、実際ヤリスクロスがなかったら今のオワコン臭以上にオワコンになってたかもしれません。
実際、ヴィッツの時も堅調に売れていたのですが、それでもアクアに負けています。まぁ、質感がゴミすぎたのも原因だけど・・・
GRヤリスは全体の4%前後。

GRヤリスは資料によると昨年は3,670台、今年の上半期は4,863台と月平均で考えたら600〜800台売れてる計算になります。
こう考えると、年間では1万台はいかないものの、9,000台程度はいけそうな感じです。これはヤリスシリーズ全体で考えても4%という結果になってます。
流石に年間1万台は結果から厳しいかもしれないけど、4%前後の売り上げは誇っているのはスポーツカーとしてはいいかもしれません。
ヤリスはアクアの影響で失速。

今年の7月に発売されたアクアの二代目ですが、9月には1.1万台の売り上げを叩き出しました。
アクア(とノート)はハイブリッドカーしかないので、ヤリスハイブリッドで検討していたユーザーが流れていることやアクアのファンや買い替えで選んでいるユーザーもいるんじゃないでしょうか?
ヤリスの不満(後席、収納、質感)で選択肢から外すユーザーは少なからずともいます。
とはいえ、個人的にそこまで変わんないけどね。
だから、アクアの記事で「ヤリスハイブリッドは売れなくなるかも」と書いたのです。
現実、ヤリスはアクアの登場により失速しています。特にハイブリッドモデルを検討していたユーザーがアクアを選んでいる可能性もあります。
もう一つ考えれるとしたら納期。現在の半導体不足による影響が如実に出ています。
当時アクアは2ヶ月で納車できていました。その時ヤリスは4ヶ月以上待たされています。(ヤリスクロスは半年以上)現在はヤリス、ヤリスクロスは変わりませんが、アクアは3ヶ月以上の納期となっています。(全てグレードやカーナビキットの導入で大幅に変わります)
現在ヤリスの売り上げは大失速しており、アクアは大躍進しています。納期の都合もそうですが、ユーザーやフリートによる初代モデルからの買い替えやご祝儀契約も理由として挙げられるかもしれません。これはヤリスでもあったことです。
そのため、ご祝儀契約や買い替え需要が落ち着いた時が本当の勝負でしょうね。
売れてないと言われるフィットも堅調な売れ行き。
ヤリスはフィット等に対し質感等でクソミソに貶される傾向がありますが、そのフィット(四代目の現行版)もメディアは「フィットは売れない」と言われています。
実際は確かにヤリスと比較したら売れていません。しかし、全体で考えたらヤリスの80%程度の売れ行きで昨年は9万台売れた結果となっています。
フィットはヤリスとの差別化を図るために室内のクオリティを向上させ、電動パーキングやLEDライトを標準装備させます。だからフィットはヤリスと比較してレンタカーで見ることが少ないともいわれています。(実際あまり見ない)
レンタカーで見ることが少ないということは、ユーザーが純粋に選んでいる証拠です。これだけ考えたら大したものと褒めてもいいと思いますがね。
ただ、ホンダはN-BOXという強敵がおり、近年はヴェゼルも売れているからフィットも安心できません。実際今年は去年ほど売れてない。
フィットもヤリス同様に更なるテコ入れが必要ということです。別グレードを出すのでなく根本的なところで。
ノートは四代目登場以降安定した売れ行き。AURAでさらに上げる。
ノートは現行モデルが出る前から少しずつ売り上げを下げていますが、それでも6,000台売れることもあるのは大したものです。
3月の売り上げが1.3万台も誇ってるのはすごいなと思う。
現行モデルが出てからちょっと上がって少し下がったものの、5月にAURAを出してから他のコンパクトカーとは比較にならないぐらい質感を向上させたこともあり、こちらも300万円の価格(クルコン、BOSEのスピーカー付き)になってるのにも関わらず大ヒットしています。
なお、ノートはハイブリッドのみで、形式はシリーズハイブリッド(エンジンは発電機)になります。
今買うんであればAURAかな?
ライズは一時期ヤリスに勝っている。また、昨年の売り上げはライズの方が少し上。
ライズは2019年に発売されているので、一概に言えませんがライズの方が少し売り上げがいい結果となっています。
ヤリスは2020年2月に発売されているので、仮に2019年に発売されていたらライズよりも売り上げは上だったかもしれません。
ライズはヤリスと比較してエンジンは弱いけど収納面や広さに軍配が上がっているので人気の車です。リセールもライズの方がいいと言われています。
11月にハイブリッド仕様も登場するからヤリスを買う意義はどんどん薄れつつある気がします。
ヤリスとヤリスクロスは何が売れてるの?
ここでヤリスとヤリスクロスはどの形態、どのグレードが売れてるのか?ということになる。
街中で見るヤリスとヤリスクロス。
わたしの主観だけど、ヤリスとヤリスクロスを街で見かけることはよくあります。
実際、ヤリスは安価なモデルが多く、ヤリスクロスはZグレードをよく見かけます。また、ヤリスはガソリン車が多く、ヤリスクロスはハイブリッドカーが多い印象を受けます。
これはメディア等で報道してるのと同じ傾向です。わたしの周辺でも同じ傾向が見られるということです。
ヤリスは安いのがよく売れている。

ヤリスの大きな特徴の一つとして価格が安いことが挙げられます。
一番安いXBグレードでも140万円で、クルコンのついた安いモデルで160万円です。ライズは200万円を出さないとクルコン付きのグレードを選べないことを考えたらそりゃお買い得です。
前回ご紹介した1.0LのヤリスG(親の代車)も163万円しますが、これにLEDライトをつけても180万円程度。すごく安い。
実際、ヤリスの全体の売り上げのうち、ガソリンとハイブリッドの比率はほぼ互角でガソリンの方が少し多いとも言われています。
だから、ガソリン車として考えたらコスパはいいのです。実際の燃費はWLTCでも20km/Lと驚異的です。
裏を返せばハイブリッドは買って損とも取れます。(これはヤリスに限った話ではないが)
しかし、燃費の破壊力は上級のZグレードでも絶大でわたしのヤリスでも30km/Lを切ることは稀です。(16インチのアルミホイールを履いたら別)それもヤリスのウリになっているのです。
現実、質感の高い上級グレードのHYBRID Zも売れています。(わたしのグレードはこれ)
ヤリスクロスは質感の高いHYBRID Zがよく売れている。

逆にヤリスクロスは質感の高いHYBRID Zがよく売れています。
ガソリン車でもZはあるのですが、それでも燃費がSUVとして考えたら凄まじく良いヤリスクロスの大きなアピールになっているのは確実。(燃費は27km/L)
さらにヤリスにはない電動パーキングやアルミホイール、誤操作ブレーキ(静止部・ヤリスZはついてる)が標準装備と至れり尽くせりです。人によっては「こっちがヤリスやろ」という声もあるとかないとか・・・
ただ、Zの内装はブラウンオンリーでおじんくさいところがあるんだけどね。w
ヤリスのレンタカーと営業車。
ヤリスは先述の通り安いグレードでも140〜160万円程度と安く、レンタカーや営業車で見るのはこのクラスが多いです。
当時、レンタカー常連のヴィッツ、ノート、アクアに変わる車としてヤリスが選ばれているからこそ、「わナンバーのヤリス」が多く見受けられ、わたしは複雑な気持ちになります。
実際、去年の3月の売り上げを見るとヤリスはヤリスクロスが出るまでの間も1万台売れていますが、フィットは1万台売れたことはありません。その中にレンタカーや営業車の売り上げもある可能性は否定できません。(ソースがないので予想とさせてください)
ヤリスをスケープゴートするメディアにも疑問。
ヤリスはよくスケープゴートされがちで、比較対象としてはフィット、ノート、アクア、そしてヤリスクロスです。
ヤリスシリーズは基本的にドライバーズファーストとなっていることもあり、後席は本当に狭い。特にヤリスはそれをよく指摘されるのですが、どこぞの記事が・・・
ヤリスで問題になった後席もヤリスクロスでは問題なし!
というトンチンカンな文章を書いていたところがある。
実際わたしも乗ってみて感じてはいるのですが、ヤリスクロスの後席はヤリスと同じで膝周りは全く同じです。違うのは高さとアームレストの有無(Zグレードのみ)だけ。それを考えたら大して変わんないのに後席が広いとかいうメディアもどうなんだろ?
ドア部の広さだって同じだぜ。まだアクアの方が後席に乗りやすいよ。
また、ある記事ではフィット、ノートとの比較でヤリスの安全性能が5段階中3.5に対してフィットは4.5、ノートは5.0という結果に。
「厳しく採点します」とか書かれているけど、電動パーキングのないヤリス、360度モニターのないフィットで比較して360度モニターのないフィットの方がまだ安全面ではマシという回答なんでしょうね。
こうやって発売当初はめっちゃ褒めてたくせに、他のライバルカーが出るや否やヤリスはゴミというような文章を書いては他の車を持ち上げる記事が非常に多いのです。わたしもその傾向が出ることがあるので自戒の念で書きますが・・・
ただ、ヤリスの売りが徐々になくなってるのも事実。
ヤリスは昨年2月の発売以来、堅調な結果を叩き出しているものの、現在ではその存在感も薄れつつあります。
特にヤリスクロスやアクアが出た時にはヤリスは二台に対して劣る部分が多く、選ばないユーザーも少なからずいます。
そして11月にはロッキー・ライズのマイナーチェンジで電動パーキングとハイブリッド仕様(どちらも基本上級グレード)が登場しました。
燃費はアクア、総合ではヤリスクロス、走りはGRヤリス、収納はライズとなってしまえばヤリスのウリは「ただ安いだけの車」になってしまうのです。
先述のレンタカーや営業車のイメージになってしまうとレンタカー=ヤリスの印象となってしまいます。
ヤリスの以前の名前であるスターレットは「安い車」のイメージがあり、それを払しょくするためにヴィッツを出しました。そのヴィッツもモデルチェンジするうちにスターレットとおなじく「安い車」のイメージになってしまいます。その理由の一つがレンタカーの多さともいわれています。
それを再定義する形で日本でもヤリスの名前で出してるんでしょうけど、このままでは二の舞どころか三の舞になってしまいかねない、少し心配です。
でも、手軽に使える上に走りは進化してるので、それはそれでいいんですが・・・数が多すぎますよね。
また、メディアはアクアはハイブリッド、ヤリスはガソリン車という選択になるだろうと書いています。これはデータで考えたら至極当然になります。
そのガソリン車も燃費は非常によく、価格も安いので通勤カーとしてコスパも考えたら超最適なのです。(リセールもいいし)
おまけにヤリスとGRヤリスはCVT(オートマ)だけでなくミッションも用意されているので、ミッション好きにとっては選択肢は十分あります。それを考えたらバラエティが豊富なのです。
そう考えたら安価で買える燃費の良いガソリン車、ミッション車とも取れます。だからたくさん種類出しても売れ続けているのです。ただ安い車というわけではない。
堅調に売れてるとはいえ質感やエンジン音、装備は他の車と比較してう○こなのは事実のため、ヤリスのテコ入れはもはや必要な時期に来ているのかもしれません。それが電動パーキングの装備ということになります。(ヤリスクロスも質感はう○こやけどね)
まとめ。

オワコンじゃないけど、テコ入れは必要な時期に来ている。
まとめとしてヤリスはオワコン臭が漂っても、データで見る限りオワコンになることはありえません。
しかし、質感や装備は他の車と比較して劣っている状態になっており、「ただ安いだけの車」となりかねない状態で売りにできるのはミッションぐらいと少なくなっています。(ヤリスでやめたらミッションはGRヤリスだけになる)
だから電動パーキング装備などのテコ入れは必要な時期に来ていると感じています。
まぁ、ヤリスはヤリスクロスやアクアと比較しても乗りやすいという意見も出てきます。だからカタログやホームページだけのデータだけではヤリスはオワコンとはいえないのです。実際乗ってみて判断するのがいいと思います。
コメントを残す