いつもご覧いただき、ありがとうございます。
ヤリスを納車してから2ヶ月が経ちました。現在でも通勤や外出で使っております。
さて、導入したのはハイブリッドモデルです。トヨタ自動車(以下、トヨタ)がプリウスで採用して以来、トヨタ筆頭に数々のメーカーがハイブリッドカーを採用しています。
前回比較対象としたヤリスクロス、フィット、ノートも全てハイブリッド対応で、ノートに至ってはガソリンモデルを廃止しています。それぐらい現在はガソリンカーからハイブリッドカーや電気自動車へのシフトが強くなっています。
ハイブリッドカーは以前から排気ガスが少なくなる(エンジンを稼働する時間が電池の採用で減少する)と言われています。しかし、環境にいいといえばわたしはあまり変わらないと判断しています。
理由は製造過程でも二酸化炭素は放出されており、部品点数がガソリン車と比較して多くなっているからです。
ハイブリッドカーは電池を筆頭に電子部品が多いとも言われています。その分当然部品製造に電気を使うわけですから、それだけ二酸化炭素を放出しているのです。
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トヨタの社長もその辺りは当然理解している。
実際、トヨタの豊田章男社長の発言がありました。
参考サイト:トヨタ自動車公式 https://toyotatimes.jp/insidetoyota/130.html
豊田社長
カーボンニュートラル(の実現)は自動車業界単体では難しく、エネルギーのグリーン化が必要だと思います。
それよりも大事なことは、私も含めてカーボンニュートラルを正しく理解することではないでしょうか。
クルマがすべてEVになればいいという報道もありますが、そんな単純なものではないことをぜひご理解いただきたいと思います。
モノを作る、作ったモノを運ぶ、そして運んだモノを使う、リサイクルしながら最後は廃棄する。その流れの中で発生するCO2を2050年までにゼロにしようという考え方が、ライフ・サイクル・アセスメント(LCA)をベースにしたカーボンニュートラルだと理解しています。
これは、従来(の考え方で)はEVで走るときはCO2を出さないので、すべてEVにすればいいことになりますが、LCAに基づいて、材料から部品や車両を製造し、廃棄するまで、すべての過程でCO2をカウントすると、同じクルマでもつくる国のエネルギーのあり方で値が変わってきます。
CO2と雇用の関係 豊田章男の危機感(TOYOTA NEWS)
これを踏まえた上で、豊田社長はヤリスで例えて、「日本で作るヤリスとフランスで作るヤリスでは、日本はCO2を出してまで作っている(フランスは原子力発電所)ので、日本生産の車は使ってもらえなくなる」と日本の雇用の危機も指摘しています。
これ以上お話しすると脱線しますので、ここまでにしますが、重要なのは豊田社長のライフ・サイクル・アセスメント(LCA)をベースにしたカーボンニュートラルということ。
つまり、部品の製造から廃棄までの過程でカウントするので、ガソリン車や電気自動車は「排気ガスは多い(ない)が部品が少ない」、ハイブリッドカーは「排気ガスは少ないが、部品は多い」とも取れるので、一概に環境に良いとは限らないということです。
小難しい話になりましたが、ハイブリッドカーにしたところで環境にいいとは限らないということです。これは電気自動車も同じ。(章男社長が指摘したのは電気自動車です。)
ハイブリッドカーのいいところ。
わたしも実際購入して乗っていますが、非常に快適です。そんなハイブリッドカーのいいところとダメなところはなんだろうか? に尽きます。
この項目ではいいところについて解説していきます。
ガソリンの量が減る→ガソリンを入れる時間が少なくなる。
ガソリン車と比較してハイブリッドカーではガソリンの使用量が減少します。それに伴いガソリンスタンドへ足を運ぶ機会は減少します。
以前乗っていたヴィッツは800キロ走行してガソリン代は約7,000円かかってました。現在のヤリスは4,000円ぐらいまでに抑えられています。
わたしは少なくなったら適宜入れる(10l前後)ため、その回数が減るのは「ガソリンを入れる時間」のロスが減るのでメリットはあります。
これだけ考えたら、ハイブリッドカーの追加料金は後述の税金も踏まえてペイできるか? と言えば微妙です。
が、それでもガソリンスタンドへ足を運ぶ機会が激減するのは時間の換算で考えたらありと判断しています。
静か。
これはQOLの向上の意味で解説しています。
ガソリン車と比較してハイブリッドカーは静かです。それが意味するのは常にガソリンのうるさい音に悩まされることがないのです。
もちろんこれは電池とモーターの恩恵によるもので、電気自動車でも同様の環境はできます。
また、ヤリス以降トヨタはガソリン車のアイドリングストップをやめた(バッテリーの寿命が非搭載と比較して短いため→先述のLCA)ので、停止時の静かな環境ができる面ではハイブリッドカーや電気自動車に軍配が上がるのです。
これは早朝深夜に出発するときにアドバンテージがあり、周りに迷惑をかけることなく外出や出勤することができるのです。
減税の恩恵を受ける。
やはりこれでしょうね、減税。
ハイブリッドカーや電気自動車は税金が安くなるというメリットがあります。ヤリスに例えてもガソリン車と比較して税金は安くなります。
こちらのサイトを参照にしていただきたいのですが、ヤリスでもハイブリッドとガソリンモデルでおよそ5万円の価格差があります。(諸費用含む)
参考サイト:ベストカーweb・https://bestcarweb.jp/feature/column/238820
環境性能割と自動車重量税は免除されるので、その価格差が響いているのが理解できると思います。
さらに言えば、ハイブリッドカーは13年目の増税がありません。長いこと使うことを考えたらガソリン車よりも税金面では負担が軽くなります。
2021年3月までに登録した車は電気自動車(PHV、燃料電池、天然ガス、ディーゼルも含む)やハイブリッドカーなど排気ガスの少ない車(燃費基準達成車)に1年限定(2021年度まで)でグリーン化特例を受けることができました。
わたしはその恩恵を受けることができたので、今年の自動車税は8,000円で済んでいます。(通常は30,500円)
現在は電気自動車のみ75%になったので、対象車が減少しています。今後他の税金でもハイブリッドカーはその恩恵が受けられなくなる可能性はあります。
※2021年5月24日現在の状況です、今後課税に対する方針は変更になる場合がありますので、ご注意願います。
高寿命。
ハイブリッドカーはガソリンとモーターで動くため、ガソリン車と比較して寿命が長いと言われています。
ガソリン車はガソリンだけで動くので、それだけ酷使するためその分負担も大きくなります。それをモーター走行と分担すればそれだけ負担は軽くなるので、結果的に寿命は長くなると言われています。
もちろん、どちらかに負担をかけるのはダメなので、一般的にEVモードはせずに普通に走行したほうがいいと思いますね。
ハイブリッドカーの悪いところ。
ガソリン車と比較して高め。
やはり、ガソリン車と比較して高めに設定されています。
ヤリスでも同じグレードで30〜40万円程度の価格差があります。これだけでも高めに感じます。
一番安いHYBRID Xで1,998,000円(2WDの場合)と40万円高めに設定されています。他の価格差を以下の表に示します。
ガソリン車 | ハイブリッドカー | 価格差 | |
X | 1,598,000 | 1,998,000 | 400,000 |
G | 1,773,000 | 2,130,000 | 357,000 |
Z | 1,971,000 | 2,324,000 | 353,000 |
これを考えて、税金でマイナスにし、ガソリン車との燃費差を踏まえて計算する。燃料費を150円とし、計算してみる。例としてわたしが所有しているZグレードで考えます。
WLTC | 左記85% 実用燃費 | 燃料費 | 走行単価 | |
ガソリン車 | 21.6km/L | 18.36km/L | 150円/L | 8.17円/km |
ハイブリッドカー | 35.4km/L | 30.09km/L | 150円/L | 4.98円/km |
上記の表で走行単価を考えると、こうなります。走行単価の差は3.19円となります。
そこから減税の差額5万円をマイナスすると、Zグレードにおける価格差はおよそ30万円になります。その数値から走行単価の差を割ると走行距離が求められ、その数値以上に走行すればペイできる計算になります。
(353,000-50,000)/3.19=94,984km
よって、車種によるがヤリスの場合は9.5万キロ走らないと元が取れないので、あまり現実的じゃない。
税金のかかる車両の大きな減税ならメリットは大きいのですが、その分本体価格も高く設定されていることが多くなっているため、あまり変わらないどころかやはりペイできるかどうかは難しいところです。
部品代が余計にかかる。
ガソリン車ならタイヤ、ベルト、バッテリー(ハイブリッドカーなら補機に相当)などの部品ですが、ハイブリッドカーはそれに加えて駆動バッテリーや電気設備など部品点数が多くなります。
特に駆動バッテリーは交換だけでも20万円程度かかる代物。トヨタでも5年ないしは10万キロ保証はありますが、普段使いではなかなか行かない仕様。
他にも電気設備の不備も考えられるので、それ考えたら部品代は結構かかる。
バッテリーに関しては普通に走っていれば長持ちするので、たまにしか使わないとか酷使しなければ大丈夫みたいですね。
重たい。
電池を積んでいる分、重量はガソリン車と比較して重たくなります。
それに伴い、車検では重量税が若干高めになってしまいます。
当然ですが、タイヤにも負荷がかかるので、タイヤが早くちびってしまうケースも出てくるそうです。
静かなので、相手に気づかれにくい。
静かな反面、相手に気づかれにくいというデメリットがあります。それによって事故を起こす場合があります。
そのため、トヨタはヤリスに人も感知できるセンサーを搭載しているので、予防の一環としてになっています。
アクセルワークがめんどい。
ハイブリッドカーでもアクセルをベタ踏みすればガソリン車とあまり変わらないので、燃費は良くありません。
よくするためにはエンジンである程度速度を上げた後に、アクセルを一旦離してモーター駆動に変えて安定走行するようにすると燃費は良くなるそうです。
だから、渋滞時に頻繁に走ったり止まったりすると燃費はあまり良くないとも言われています。
よって、アクセルワークにいちいち気にしなければならないので、非常にめんどくさい。
坂道に弱い=下り坂はほとんどガソリンを使わない。
ヤリスというか、エンジンが弱いのか坂道に弱いと感じています。
よって、上り坂の場合はガソリンをフルに使うため、燃費が良くなるかどうかは疑問が残ります。
ところが、下り坂になると今度は回生ブレーキの恩恵を受けて充電するので、結果的にほとんどガソリンを使うことなく移動が完了することになります。
わたしも通勤時に坂を上り下りするので、登っている時はやはりガソリンを使う反面、下るときはほとんど使わないので、実質半分の燃費で済むので恐ろしいです。
ただ、環境や踏み方によってはあまり変わらないどころか悪くなる場合もあるので、そこは気を遣ってしまいますね。
高いけどQOLが向上する面でハイブリッドカーはあり。
価格が高く、特にコンパクトカーなんかは燃費でペイする可能性が低いハイブリッドカー。
環境にいいかといえばあまり変わらないと感じていますが、燃費、静か、加速が良いなどQOLは向上するので、やはりハイブリッドカーが売れる理由がわかる気がします。
そういう意味ではお金を出してまでハイブリッドカーにするのもありかもしれませんね。わたしはスポーツカーも好きですが・・・w
わたしなりにまとめてみましたがいかがでしょうか? 何か不備があればご指摘いただければ幸いです。
ぜひ、機会があれば試乗して購入のきっかけになればと思います。
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